トメアス(英語表記)Tomé Açu

デジタル大辞泉 「トメアス」の意味・読み・例文・類語

トメ‐アス(Tomé-Açu)

ブラジル北部、パラー州の町。州都ベレンの南約110キロメートルに位置する。1929年に日本人入植者によって開かれ、コショウ生産で発展したが、病害により大打撃を受けた。現在はアセロラアサイーカカオなどさまざまな果物作物栽培。森林再生と持続可能な農業を目指す、アグロフォレストリーという取り組みで知られる。トメアスー。

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改訂新版 世界大百科事典 「トメアス」の意味・わかりやすい解説

トメ・アス
Tomé Açu

ブラジル北部,パラ州北東部の市。人口1万9000(1970)。アマゾン河口付近の支流アカラ川に沿う。雨季12月~5月,乾季6月~11月で,年降水量2500mm。標高10~20mのテラ・フィルメ上に位置し,北方110kmのベレンから船便(270km),定期バス便(180km)のほか,エア・タクシーの便がある。ブラジル北部の主要な日本人集団移住地,トメ・アス移住地がある。1929年南米拓植株式会社の入植地として発足,第2次大戦前に352家族が入植したが,マラリアの発生で4分の1のみが定着戦後コショウ栽培に成功し,52年ころよりコショウ・ブームで急速に発展した。62年第2トメ・アス移住地を開設,コショウの病虫害の発生とベレンとの間の道路の改善による市場条件の変化によって,コショウの単一大規模栽培から,カカオ,香料作物,メロン,パパイアなどの導入,複合経営が進められている。アマゾニア熱帯農業総合試験場をもつ。1959年市制を施行したが,市街地の形成は微弱である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トメアス」の意味・わかりやすい解説

トメアス
Tomé-Açu

ブラジル北部,パラ州北東部の都市。中心集落は州都ベレンの南南東約 120kmにあり,パラ川水系アカラミリ川にのぞむ。 1929年日本の南米拓殖株式会社により日本人集団移住地として建設され,36年までに約 2000人の日本人が入植。当初はカカオ栽培の失敗やマラリアの流行により困難が続いたが,シンガポールから移植したコショウの苗木をもとに,第2次世界大戦中その増殖に成功,戦後も日本人入植者が続き,コショウの大規模な栽培によって発展。現在黒コショウは同州の重要な生産物となっており,ベレンから世界各国に輸出されている。ほかにイネサイザルアサナンキンマメ,ゴマなどの栽培も行われる。ベレンと水路空路で連絡。人口約3万。

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