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多発性骨髄腫 たはつせいこつずいしゅmultiple myeloma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

多発性骨髄腫
たはつせいこつずいしゅ
multiple myeloma

形質細胞が腫瘍性に増殖して多発する疾患。骨梁を破壊し,体動時に胸,腰,背に強い疼痛を訴える。 40~60歳代の男子に好発する。椎骨頭蓋骨,肋骨,胸骨,骨盤などにできやすい。患者には血漿蛋白の全量,ことにグロブリン分画が増加し,尿にベンス・ジョーンズ蛋白体 (BJP) が排泄される。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

多発性骨髄腫

骨髄の中でがん細胞が増える病気で、白血病リンパ腫などとともに血液がん一種。全身の骨が折れやすく、貧血多臓器障害など様々な合併症を引き起こす。発生頻度は10万人に3人程度。余命は数カ月から、まれに10年以上。平均で2年半から3年とされる。

(2007-08-30 朝日新聞 朝刊 石川全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

たはつせい‐こつずいしゅ【多発性骨髄腫】

血液細胞の一つである形質細胞の癌(がん)。免疫グロブリンをつくる形質細胞が癌化すると、異常な抗体が大量に産生され、正常な抗体が著しく減少する。このため免疫機能が低下し、骨髄の造血機能が阻害される。一般に60歳以降の発症が多いとされる。主症状は骨の痛み・骨破壊・貧血・全身倦怠など。薬物療法のほか、造血幹細胞移植なども行われる。平成20年(2008)に治療薬としてサリドマイドの使用が承認された。

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家庭医学館の解説

たはつせいこつずいしゅ【多発性骨髄腫 Multiple Myeloma】

[どんな病気か]
 からだの健康を守っている免疫(めんえき)の一翼をになう抗体(こうたい)はたんぱく質でできていて、免疫グロブリンと呼ばれています。
 免疫グロブリンは、骨髄(こつずい)に存在する形質細胞(けいしつさいぼう)でつくられますが、この形質細胞ががん化して骨髄腫細胞(こつずいしゅさいぼう)と呼ばれる異常な細胞となり、無制限に増殖する病気です。形質細胞のはたらきが低下する一方、正常な血液をつくる骨髄のはたらきも障害されます。
[症状]
 50歳以上になってからの発症が多く、腰や背中の痛み、骨の痛みのほか、からだのだるさ、息切れ、動悸(どうき)、顔色が悪いなどの貧血(ひんけつ)の症状が現われ、出血しやすくなります。感染に対する抵抗力も低下して、肺炎などにかかりやすくなります。
 骨髄腫細胞には、骨を溶かしてしまう因子が含まれているために、いろいろな骨が破壊され、わずかな外力が加わっても骨折(病的骨折(びょうてきこっせつ))をおこしやすく、骨折でこの病気が発見されることもあります。視力障害、めまい、頭痛などがおこることもあります。
 頻度の低い病気のために、医師の治療を受けていてもこの病気と気づかれないことがありますから、疑わしい症状が続くときは、血液専門の医師を紹介してもらいましょう。
[検査と診断]
 血液を採取して調べると、血沈(けっちん)(赤沈(せきちん))(「赤沈(赤血球沈降速度/血沈)」)が非常に亢進(こうしん)しているほかに、貧血、白血球(はっけっきゅう)や血小板(けっしょうばん)の減少がみられることがあります。
 たんぱく尿が出ていることも多く、尿検査がきっかけで、この病気が発見されることもあります。
 骨のX線撮影で「打ち抜き像」と呼ばれる骨の破壊像が見られることや、血清たんぱく中に、異常な免疫グロブリン(免疫グロブリン‐Mたんぱく)の増加がみられることで診断できます。
 免疫グロブリン‐Mたんぱくの血中濃度が高くなると、血液の粘りけ(粘稠度(ねんちゅうど))が高まり、血液の循環障害がおこり、眼底の異常、中枢神経や末梢神経(まっしょうしんけい)の異常、心不全(しんふぜん)、腎臓(じんぞう)障害などの症状が現われます(過粘稠度症候群(かねんちゅうどしょうこうぐん))。
[治療]
 化学(薬物)療法では、メルファランやシクロホスファミドなどの抗がん剤と副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンのプレドニゾロンとの長期併用が効果をあげています。また、サリドマイド(保険適用外)も効果があります。
 補助療法として、痛みが激しいときは、鎮痛薬(ちんつうやく)を用いますが、ときに、放射線を照射することもあります。また、腰痛にはコルセットを装着することもあります。
 最近、根本的な治療法として、骨髄移植(こつずいいしょく)にかわって、造血幹細胞移植(ぞうけつかんさいぼういしょく)が期待されています。これには、造血幹細胞を自分の血液から分離し移植する自己末梢血幹細胞移植(じこまっしょうけつかんさいぼういしょく)(保険適応)や、造血幹細胞が豊富な赤ちゃんの臍帯血(さいたいけつ)を利用する臍帯血移植(さいたいけついしょく)などがあります。
 治療が効果をあげているときは、ふつうに生活してもかまいません。多少、骨の痛みがあっても、適度にからだを動かすことや、水分を多くとって尿量を増やすことが、合併症を防ぐためにたいせつです。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

多発性骨髄腫
たはつせいこつずいしゅ

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世界大百科事典内の多発性骨髄腫の言及

【骨髄腫】より

…免疫グロブリンを産生・分泌する形質細胞が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍。主として骨髄で増殖し,各所の骨が侵されることが多いので,多発性骨髄腫multiple myelomaとも呼ばれ,単クローン性免疫グロブリン(Mタンパク)の出現,骨病変などを特徴とする。腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞)は骨髄で主として結節状に増殖し,次第に骨皮質を融解・破壊して骨折(病適骨折)を起こす。…

※「多発性骨髄腫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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