フィンランド北西部,スウェーデンとの国境の町。ボスニア湾に注ぐトーネ河口近くに位置する。人口2万1300(1981)。1621年,川の中のスエンサーリ島を,ラップランドを含む北方の商業の中心地として,スウェーデン政府が開発したが,それがトルニオ揺籃の地となった。1700年代後半,造船で町は栄えた。1808年からのロシアとの戦争で,町はひどい損害を受けた。09年,トーネ川がスウェーデンとフィンランドの国境となり,商業圏にあった豊かな村々や,以前の造船所がほとんどスウェーデン領となった。さらに,有力な商人たちがスウェーデン領に引っ越したため,町の商業活動は停滞した。近年は,木材,ビールなどの工業で活気を取り戻しつつある。
執筆者:荻島 崇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報