トレビの泉(読み)トレビノイズミ(その他表記)Fontana di Trevi

デジタル大辞泉 「トレビの泉」の意味・読み・例文・類語

トレビ‐の‐いずみ〔‐いづみ〕【トレビの泉】

Fontana di Treviローマ中心部付近にある噴水ローマ神話の海神ネプトゥーヌスを中心にローマ神話の神々の像が配置されており、背後にはポーリ宮殿が建つ。後ろ向きコインを投げ入れると願いが叶うという言い伝えがある。

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精選版 日本国語大辞典 「トレビの泉」の意味・読み・例文・類語

トレビ‐の‐いずみ‥いづみ【トレビの泉】

  1. ( トレビはTrevi )イタリアのローマにある噴水。海神ネプチューンが半人半魚の従神たちに引かれる車の上に立つ群像をかたどっている。一七六二年建造。ここで噴水に背を向けたまま貨幣を水中に投げると再びローマに来るという俗説がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「トレビの泉」の意味・わかりやすい解説

トレビの泉 (トレビのいずみ)
Fontana di Trevi

ローマの観光名所として知られる,バロック様式の噴水のある泉。トレビの名は泉の前の広場に3本の街路が集まることに由来。前19年C.アグリッパが市郊外約20kmの水源から水を引いて創設し,ローマ時代にはアクア・ウェルギネAcqua Vergineと呼ばれた。現在の噴水は,1732年,競技設計の末サルビNicola Salvi(1697-1751)の案にもとづいて起工,62年に完成した。重厚な凱旋門を背景として中央オケアノス巨像を配する。バロック彫刻の代表傑作には含められないが,建築,彫刻,および自然要素としての水と岩を,噴水という効果的な都市装置のなかで巧みに融合させている。ローマに旅した者が泉に背を向け,肩ごしに硬貨を池に投げ入れるとローマ再訪がかなうと言い伝えられる。
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百科事典マイペディア 「トレビの泉」の意味・わかりやすい解説

トレビの泉【トレビのいずみ】

イタリア,ローマにあるバロック時代の噴水。市内に点在する噴水でも最大規模を誇り,後ろ向きにコインを投げ入れると再びローマに来ることができるという伝説で知られ,世界中から観光客を集めている。建築家ニコラ・サルビィの設計で1762年に完成,泉背後には海神ポセイドンと2対の海馬,トリトンの彫刻が立ち,ローマを代表する観光名所の1つである。

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世界の観光地名がわかる事典 「トレビの泉」の解説

トレビのいずみ【トレビの泉】

イタリアの首都ローマ市街のトレビ広場にある噴水で、ローマの代表的な観光名所の一つ。もともとは、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスが建設したものである。◇現在のバロック様式のトレビの泉は、18世紀にローマの建築家ニッコロ・サルヴィ(Niccolo Salvi)の設計で改造され、彼の死後の1762年に完成したもので、ポーリ宮殿の施設の一部として宮殿正面にある。中央に海神ポセイドン、左右に豊饒(ほうじょう)の女神ケレス(デメテル)、女神サルース(ヒュギエイア)を配した構図は、サルヴィのデザインである。後ろ向きにコインを泉へ投げ入れると願いが叶う、という言い伝えがある。

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世界遺産情報 「トレビの泉」の解説

トレビの泉

後ろ向きにコインを投げ入れ、泉に入れば再びローマに訪れることができるといわれるトレビの泉。清らかな水が満ちており、噴水から絶えることなく水が流れ落ちています。教皇クレメンティウス12世の命によって、1762年に完成しました。泉の後ろの宮殿をデザインに取り込み、中央には二人のトリトーネが引く馬と海神ネプチューンの彫像がたたずむ、ダイナミックな構造になっています。ローマ市から数キロ離れたトレビ地区を水源とするアグリッパの水道により、良質の水が供給されています。

出典 KNT近畿日本ツーリスト(株)世界遺産情報について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トレビの泉」の意味・わかりやすい解説

トレビの泉
とれびのいずみ
Fontana di Trevi

イタリアの首都ローマの中心部近くにある噴水。教皇クレメンス12世の命令でニコラ・サルビが設計し、1762年に完成した。噴水は、海神ネプチュンがトリトンに操られた海馬を駆って行く姿を描いている。噴水の背後にポーリ侯の宮殿がある。トレビとは「3本の道が集まるところ」という意味。後ろ向きで泉にコインを投げ入れるとローマにふたたび戻ってこられるという伝説で有名。

[藤澤房俊]

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