トレント川(読み)トレントがわ(その他表記)River Trent

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トレント川」の意味・わかりやすい解説

トレント川
トレントがわ
River Trent

イギリスイングランド中部を流れる川。全長約 270km。流域面積約 1万km2。ミッドランド地方の主要河川で,ペナイン山脈南部西斜面のストークオントレント付近に源を発し,スタッフォードシャー県南東北東へ流れたのち,ダービーシャー県南端部を横切り,ノッティンガムシャー県を北東流,ノースリンカーンシャーハンバー川と呼ばれる三角江(エスチュアリー)に注ぎ,キングストンアポンハルを経て北海に出る。オールラスまでは狭い谷を流れるが,それより下流は幅広い氾濫原を流れ,ニューアークオントレントより下流は落差がきわめて小さく,潮汐作用の影響がニューアークオントレントの下流約 5kmのところまで及ぶ。主要支流はダブ川,ダーウェント川,ソア川。キングストンアポンハルへのタンカー航路として重要で,沿岸にはノッティンガムシャー工業地帯ダービーシャーの炭鉱地帯がある。バートンの下流には 1960年代に八つの発電所がつくられ,コタムウェストバートンの発電所(200万kW)は当時ヨーロッパ最大のものであった。

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改訂新版 世界大百科事典 「トレント川」の意味・わかりやすい解説

トレント[川]
River Trent

イギリス,イングランド中部,ミッドランド地方北部を流れる川。ローマ時代のタキトゥスはトリサントナ川と呼んだ。ペナイン山脈南西端のビダルフ・ムーアを源流とし,南から南東,北東へと大きく円弧を描いて流れ,ダーウェント川,ソー川などの支流を合わせてハンバー川エスチュアリー(三角江)へ注ぐ。全長275kmでイギリス3位。上流ではストーク・オン・トレントを中心とする陶業地帯を横切り,中流域にはノッティンガムレスター,ダービーなどの工業都市が立地するが,ニューアーク・オン・トレントより下流は低平な平野が広がり,市場園芸が行われる。古くから河川交通が盛んで,小型船舶がノッティンガムまで遡航できるほか,運河によってテムズ,マージー,セバーン各河川と連絡する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トレント川」の意味・わかりやすい解説

トレント川
とれんとがわ
Trent

イギリス、イングランド中東部の川。ペニン山脈南部に発し、北東方向に流れ、河口部はハンバー川とよばれる広い三角江となって東流し、北海に注ぐ。イングランド中央部の炭田に立地する工業地帯を流れる重要な河川で、総延長約270キロメートル。流路に沿って、レスター、ダービー、ノッティンガム、ストーク・オン・トレントなどの工業都市がある。

[小池一之]

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