ハンバー川(読み)ハンバーがわ(その他表記)River Humber

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンバー川」の意味・わかりやすい解説

ハンバー川
ハンバーがわ
River Humber

イギリスイングランド中北部東岸に深く湾入する北海の入り海。イギリスの主要三角江エスチュアリー)の一つで,ここに注ぐトレント川ウーズ川などの河川や多数の運河とともにハンバー水系を形成し,その流域面積は約 2万4750km2全長約 64kmの東西に細長い三角江で,川幅は最奥部の 1kmあまりから河口部付近では 10km以上に広がる。河口部の北岸からはスパーンヘッド岬が南へ細長く延び,灯台や救命艇基地がある。沿岸主要港はキングストンアポンハルグリムズビー,イミンガム,グール。川幅が広いため,南北両岸一体の経済地域としての発展が妨げられていたが,1981年に北岸のヘズル南岸のバートンを結ぶ当時世界最長スパンの吊橋(中央スパン長 1410m,全長 2220m)が完成し,経済発展が促進された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハンバー川」の意味・わかりやすい解説

ハンバー[川]
River Humber

イギリス,イングランド東部のハンバーサイド州を東流する川。ブリトン語で〈良い川〉を意味し,ノーサンバーランド(〈ハンバー川以北の土地〉の意)などの地名の語源にもなった。ハル上流約24kmのトレント川とウーズ川の合流点から河口のスパーン岬まで,ハル川などの支流を合わせて巨大なエチスュアリー(三角江)を形成しながら北海へ注ぐ。全長約64kmで,幅は湾頭の1.2kmから河口部の13kmに拡大する。外洋船の航行が可能で,ハル,グリムズビーの両港湾都市が位置し,漁業や工業の基地となっている。大潮はハルで6.7mに達し海嘯(かいしよう)の発生で知られる。なお,ハル付近には中央支間長が世界最大のつり橋ハンバー橋が架かる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンバー川」の意味・わかりやすい解説

ハンバー川
はんばーがわ
Humber

イギリス、イングランド中東部、北海に湾口をもつ三角江。トレント川とウーズ川との合流点より湾口までの64キロメートルの部分をさす。湾口左岸には北より砂嘴(さし)が延びてスパーン岬となる。大型船舶の航行が可能で、左岸(北岸)のハル、右岸(南岸)のグリムズビーが主要港。

[小池一之]

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