ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナガスクジラ」の意味・わかりやすい解説
ナガスクジラ
Balaenoptera physalus; fin whale
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翻訳|fin whale
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哺乳(ほにゅう)綱クジラ目ナガスクジラ科のヒゲクジラ。鯨(げい)類のなかでシロナガスクジラに次いで大きく、26.8メートルの体長測定記録がある。紡錘形で、鎌(かま)形の背びれがあり、腹側に下顎(かがく)からへそまで約60本の畝(うね)が並んでいる。くじらひげは口蓋(こうがい)の両側に、片側約400枚ずつ生え、灰緑色で、右側前部は白黄色である。背部は黒色、腹部は白色であるが、左右不相称。肛門(こうもん)部と胸びれ部に特徴的な黒条がみられる。
世界の海に広く分布し、地中海や日本海などの付属海にも分布する。夏は高緯度海域で索餌(さくじ)し、冬には中・低緯度海域で繁殖する。餌料は動物プランクトンのオキアミ類や橈脚(とうきゃく)類を主とするが、群集性魚類やイカも食べる。本種は多くの系統群に分かれるが、近代捕鯨の開発初期の資源量としては、南半球に40万頭、北太平洋に5万頭、北大西洋に4万頭が存在していたと推定される。近代捕鯨の主対象種で、資源はそれによって減少したため、捕獲を禁止して回復が図られている。
[大隅清治]
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