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国際捕鯨委員会 こくさいほげいいいんかいInternational Whaling Commission; IWC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際捕鯨委員会
こくさいほげいいいんかい
International Whaling Commission; IWC

国際捕鯨取締条約に基づき,現存するクジラを保護し,捕鯨産業の秩序ある発展を目指して,1948年に設置された委員会。イギリスのケンブリッジに事務局を置き,年次総会を開催している。条約への加入は申請のみで認められるので,非捕鯨国が多数加盟する。日本は 1951年に加盟。1972年,国連人間環境会議が商業捕鯨の 10年間禁止を宣言して国際世論に方向を示し,IWCも 1982年に商業捕鯨禁止の方針を決定した。捕鯨国の日本は条約に基づき異議を申し立てたが,アメリカ合衆国の圧力のもと 1987年に商業捕鯨を停止し,南氷洋で調査捕鯨を開始した。1992年,捕鯨国アイスランドが脱退し,ノルウェーも商業捕鯨の再開を宣言した。日本は商業捕鯨の再開を目指し,クジラ資源管理のための改訂管理制度の早期完成,沿岸捕鯨でのミンククジラコイワシクジラ)の捕獲枠,南極海の聖域の撤廃などを求めている。2002年アイスランドが再加盟し,調査捕鯨を行なっていたが,2006年商業捕鯨を再開した。2012年現在の加盟国は 89。なお,ノルウェー,アイスランド,デンマークの自治領グリーンランドおよびフェロー諸島は,1992年に北大西洋海産哺乳類委員会 NAMMCOを設立している。カナダ,ロシア,デンマーク,ナミビア,日本はオブザーバーとして NAMMCOに参加。

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知恵蔵の解説

国際捕鯨委員会

クジラ資源の保護と捕鯨業の秩序ある発展を目的として、国際捕鯨取締条約に基づき1948年に設置された国際機関。日本は51年に加盟。本部は英国・ケンブリッジ。科学・技術・財政運営の3つの小委員会を持つが、重要な決定は年1回開催される総会で行う。当初は、各国の捕鯨枠を決める「捕鯨国のサロン」だったが、60年代から動物愛護の思想が浸透して反捕鯨運動が活発化。現在では日本を中心とする捕鯨支持国と、欧米を中心とする反捕鯨国が政治的に鋭く対立する場になっている。82年には商業捕鯨一時停止(モラトリアム)が決議されたが、日本はミンククジラを中心に調査捕鯨を89年以降継続し、海洋生態系バランスを維持しながら科学的根拠に基づく「持続的捕鯨」を目指している。2006年6月現在の加盟国は70カ国。

(榎彰徳 近畿大学農学部准教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

こくさい‐ほげいいいんかい〔‐ホゲイヰヰンクワイ〕【国際捕鯨委員会】

国際捕鯨取締条約に基づいて設置された国際機関。捕鯨頭数の割り当て、漁期・漁場を設定する。1949年より毎年開催。日本は第3回(1951年)から参加。事務局は英国のケンブリッジ。1982年、商業捕鯨の全面禁止を決定した。IWC(International Whaling Commission)。

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百科事典マイペディアの解説

国際捕鯨委員会【こくさいほげいいいんかい】

International Whaling Commissionの訳で,IWCと略称される。クジラ資源保護のための国際的規制条項を定めた国際捕鯨取締条約に基づいて,1946年に設置された国際機関。

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大辞林 第三版の解説

こくさいほげいいいんかい【国際捕鯨委員会】

クジラ資源の持続可能な利用をめざして、1948年に国際捕鯨条約により設立された国際機関。70年代以降のクジラ保護を求める国際世論を受けて、82年に商業捕鯨の一時停止(商業捕鯨モラトリアム)を決議した。これを受け、日本も87年からは調査捕鯨のみを行なっている。 IWC 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際捕鯨委員会
こくさいほげいいいんかい
International Whaling Commission

クジラ類資源の保護と捕鯨業の秩序ある発展を目的にした国際機関。略称IWC。1946年に署名された国際捕鯨取締条約が1948年に発効したことにより、同年に発足した。日本は1951年(昭和26)に加盟。事務局をイギリスのケンブリッジに置く。おもな任務は、(1)クジラ資源の保存及び利用についての規則の採択、(2)クジラ及び捕鯨に関する研究、調査の勧告、(3)クジラ類の現状や傾向、これらに対する捕鯨活動の影響に関する統計的資料の分析である。科学、保存、財政運営等の小委員会があり、重要な案件は総会(2012年まで毎年開催、以降は隔年開催)で議決する。委員は条約締約国の代表1名ずつで構成される。2014年(平成26)8月時点の条約締約国は88か国である。
 もともと国際捕鯨委員会は、日本、ノルウェー、イギリス、オランダ、旧ソ連などの捕鯨国の間で国際的な捕鯨枠を決める会議であった。しかし1960年代にイギリスとオランダが捕鯨から相次いで撤退したうえ、1970年代からの国際的な環境保護機運の高まりを受けて反捕鯨運動が活発になり、反捕鯨国が委員会の多数を占めるようになった。1982年には商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を決議し、1994年には南極海を捕鯨禁止区域(サンクチュアリ)とした。当初、商業捕鯨禁止に抗議していた日本はこれを受け入れると同時に、1987年(昭和62)から南極海で調査捕鯨を開始し、1994年(平成6)からは北西太平洋にも調査捕鯨海域を広げた。しかし捕鯨に反対する環境NGOのグリーンピースや海洋生物の保護を掲げるシーシェパードなどによる妨害行為で、2005年に1200頭を超えていた調査捕鯨頭数は、2012年には約400頭に減った。さらに2014年、国際司法裁判所は日本による南極海での調査捕鯨は国際捕鯨取締条約違反にあたるとして中止を命ずる判決を下した。このため日本は、南極海での調査捕鯨から撤退し、北西太平洋での調査捕鯨も縮小を余儀なくされている。なお、商業捕鯨を続けるカナダは1982年に国際捕鯨委員会を脱退。一方、ノルウェーとアイスランドは商業捕鯨モラトリアムには科学的根拠がないとして、国際捕鯨委員会に加盟したまま商業捕鯨を続けている。[編集部]

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世界大百科事典内の国際捕鯨委員会の言及

【国際捕鯨取締条約】より

…前文は条約制定の経緯・目的を記載し,その目的をクジラ資源の乱獲を防止し,かつその維持増大をはかることにより捕鯨業の秩序ある発展を期するとしている。本文は全文11条で,適用対象,批准・加入,付表の修正手続等のほか,条約実施機関としての国際捕鯨委員会の組織・任務を定めている。付表は捕鯨に対する具体的な規制措置を列記し,とくにクジラ資源管理の具体的な規準,すなわち当該資源が最適な資源水準または最大持続的生産を与える資源水準の近傍にあるか,これを上回る水準にあるものに限り捕鯨が許されることなどが記載されている。…

【捕鯨】より

… 第2次大戦後,鯨類の資源管理を国際的に行おうとする気運が盛りあがり,46年に主要捕鯨15ヵ国で国際捕鯨取締条約が結ばれ,48年に効力を発生した。この条約のもとに国際捕鯨委員会International Whaling Commission(略称IWC)が設置され,鯨類資源の国際的管理を実施することになった。日本は51年に加盟を認められた。…

※「国際捕鯨委員会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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