ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オキアミ類」の意味・わかりやすい解説 オキアミ類オキアミるいkrill 軟甲綱オキアミ目 Euphausiaceaに属する種類の総称。オキアミ科 Euphausiidae 85種,ソコオキアミ科 Bentheuphausiidae 1種が知られている。一般に体長 1~3cmで,エビあるいはアミ類によく似ているが,すべての胸脚が二叉型であり,それらの基部についている樹枝状の鰓が甲の外に裸出していることによってエビ類から区別される。また頭胸部全体が甲で覆われていること,尾部に平衡胞のないことによってアミ類から区別される。雌はアミ類と異なって哺育嚢をもたず,直接海中に放卵することが多い。孵化したノープリウス幼生はプランクトン生活の間に脱皮を重ね,変態して成体形となるが,成熟までに 1~3年を要する。一生浮遊生活をするが,昼間は深部に沈み,夜間は表層に浮上する日周垂直移動をする。すべて海産で,魚類,ヒゲクジラ類,海鳥の重要な餌料となる。岩手県沿岸や若狭湾周辺では春に浮上してくるツノナシオキアミ Euphausia pacifica(地域によりイサダあるいはアミエビと呼ぶ)を対象とする漁業があり,冷凍あるいは煮干しにして養鱒や養鶏の餌料,釣餌として利用する。また南氷洋のヒゲクジラ類の天然餌料として有名なナンキョクオキアミ E. superba を食用に利用するために,産業的に成り立つ漁法や加工法が研究され,一部利用されている。(→甲殻類,節足動物,軟甲類) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by