鯨肉(読み)ゲイニク

デジタル大辞泉 「鯨肉」の意味・読み・例文・類語

げい‐にく【鯨肉】

くじらの肉。

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精選版 日本国語大辞典 「鯨肉」の意味・読み・例文・類語

げい‐にく【鯨肉】

  1. 〘 名詞 〙 クジラの肉。
    1. [初出の実例]「彼等が鯨の肉に舌鼓打つの日も程なく到来するであらう。併し其時には鯨肉(ゲイニク)の価屹度騰貴する」(出典:閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉鯨)

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百科事典マイペディア 「鯨肉」の意味・わかりやすい解説

鯨肉【げいにく】

セミクジライワシクジラナガスクジラなどの肉を用いる。一般に背の部分の赤肉を食べるが,特に尾羽毛(おばけ)は美味で刺身にもなる。赤肉は特異な香味をもつが栄養成分は他の肉類と差はない。カツレツ,ステーキ,付焼,みそ漬,南蛮漬などに用いられ,ソーセージ,缶詰などに加工される。腹側の縞(しま)の切れ込み部分を畝(うね)といい,白色の脂肪層で,〈さらしくじら〉にする。畝の内側の肉を須の子といい,畝に須の子をつけた畝須はベーコンに使用。皮くじらは黒い皮に脂肪層のついたもので,酢みそ,みそ汁の実などにする。1982年に国際捕鯨委員会が商業捕鯨の一時停止を決議し,日本の商業捕鯨は1987年(南氷洋),1988年(沿岸)から行われていない。わずかに南氷洋でのミンククジラの調査捕鯨と,規制対象外クジラの沿岸小型捕鯨によって需要をまかなっている。
→関連項目クジラ(鯨)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鯨肉」の意味・わかりやすい解説

鯨肉
げいにく
whale meat

クジラ類の肉で,内臓,脂肪,皮なども含む。おもにヒゲクジラ類からとられ,部位によって赤肉(背・腹部分),尾肉(または尾の身。背鰭から尾鰭までの背部分),畝須(うねす。下顎から腹部までの蛇腹状の部分),須の子(畝須の肉部分),さえずり(舌),鹿の子(下顎周辺)などと呼称される。尾肉はいわゆる霜降り肉といえるもので,おもに刺身,ステーキとして食べられる。また畝須はベーコンに,須の子は大和煮缶詰の原料となる。日本では鯨肉を食した歴史が長く,縄文時代や弥生時代の遺跡からも骨が出土している。貴重な蛋白源,脂肪として,ほぼすべての部位がさまざまな調理法で食べられ,豊かな食文化の形成にひと役買った。(→捕鯨

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栄養・生化学辞典 「鯨肉」の解説

鯨肉

 クジラの肉.

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世界大百科事典(旧版)内の鯨肉の言及

【クジラ(鯨)】より

イルカ捕鯨【粕谷 俊雄】
[利用]
 クジラは食用,工業用,工芸用と広く利用されるが,主要目的は,鯨種,利用国の国情,さらには歴史的発展段階によっても異なる。古代捕鯨(11~18世紀),アメリカ式捕鯨(17~19世紀)年代における欧米諸国では灯火用の鯨油およびセミクジラ,ホッキョククジラのクジラひげが主要目的とされ,ノルウェーにおけるミンククジラを除き鯨肉類はほとんど利用されていない。クジラひげはおもに当時の婦人服には欠くことのできないコルセットに利用され,婦人の美意識がセミクジラ,ホッキョククジラ資源の著しい減少に関係したという意外な側面がある。…

※「鯨肉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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