ナワシログミ(読み)なわしろぐみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナワシログミ」の意味・わかりやすい解説

ナワシログミ
なわしろぐみ / 苗代茱萸
[学] Elaeagnus pungens Thunb.

グミ科(APG分類:グミ科)の常緑低木。密に枝を分かち、小枝褐色末端はしばしば刺(とげ)に終わる。葉腋(ようえき)にも小さな刺がある。葉は長楕円(ちょうだえん)形、革質で縁(へり)は波状となる。10~11月、葉腋に少数の花を開く。萼筒(がくとう)は太い円筒形で4稜(りょう)をなし、基部は急に狭まって子房に移る。裂片は筒部のほぼ半分の長さ。果実は長楕円形で大きく、4~5月に赤く熟し、細い柄で垂れ下がる。名は、苗代のころに果実が熟すことによる。中部地方以西の本州から九州の暖地に分布する。

[籾山泰一 2019年11月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナワシログミ」の意味・わかりやすい解説

ナワシログミ
Elaeagnus pungens

グミ科の常緑低木。関東以南の山野,特に海岸の近くに生える。高さ 2.5m内外に達し,よく分枝し,また枝が針に変ることも多い。葉は長楕円形で互生し,長さ 5cmぐらい,縁は波打ち裏面は汚白色で,褐色または銀色の星状鱗片が密につく。秋,葉腋に先が4裂した白色の筒状花を数個束状に下垂し,翌年の5~6月に楕円形の果実が赤く熟する。果実は生食される。和名は苗代をつくる頃に熟するグミの意である。

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