ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニャット・リン」の意味・わかりやすい解説
ニャット・リン
Nhât Linh
[没]1963
ベトナムの作家。本名 Nguyêu Tuong Tâm。友人カイ・フンらとともにフランス植民政策を筆で批判攻撃するために「自力文団」と呼ばれる作家グループをつくり,新生活運動を推進,貧困にあえぐ農村社会の改善を意図するなど,文学を通じて庶民の教化啓蒙に努めた。やがて文学活動から政治活動へと移行し,第2次世界大戦後,ベトミン連合政府の外相になったが,のち引退して,呉政権の末期に「自由を踏みにじる人々に警告を与える」との遺書を残して服毒自殺した。『断絶』 Doan Tuyêt (1935) ,『白い蝶』 Buom Trang (42) ,カイ・フンとの合作短編集『死なないで』 Anh Phai Sông (32~33) などがある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報