ネコノシタ(読み)ねこのした

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネコノシタ」の意味・わかりやすい解説

ネコノシタ
ねこのした / 猫の舌
[学] Wedelia prostrata (Hook. et Arn.) Hemsl.

キク科(APG分類:キク科)の多年草ハマグルマ(浜車)ともいう。茎は長く地をはい、節から根を下ろす。葉は対生し、卵形または楕円(だえん)形、質はやや厚く、短い剛毛がある。7~10月、斜上する茎の先に黄色の頭花を1個つける。頭花は径1.6~2.2センチメートル、7、8個の舌状花と多数の管状花からなる。各小花には対応する鱗片(りんぺん)状包葉がある。海岸砂地に生え、関東以西から沖縄、小笠原(おがさわら)、および朝鮮半島、中国、ベトナムに分布する。葉がより大きく、枝先に頭花が2、3個つく変種をオオハマグルマという。名は、葉がネコの舌のようにざらつくことによる。別名のハマグルマは、舌状花が管状花群の周辺に出るようすを車輪に見立てたものである。

[小山博滋 2022年3月23日]

 園芸植物としては属名のウェッデリアの名でよばれ、変種および近縁種のオオハマグルマ、クマノギクキダチハマグルマが、被覆植物として利用される。

[植村猶行 2022年3月23日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネコノシタ」の意味・わかりやすい解説

ネコノシタ(猫の舌)
ネコノシタ
Wedelia prostrata

キク科の多年草。ハマグルマともいう。関東および北陸地方以西の暖かい海岸の砂地に生える。茎は長く地をはい,葉を対生する。葉は厚く長楕円形または卵形で,長さ 1.5~4.5cm,幅4~14cm,縁にあらい鋸歯がある。葉の表面には短い剛毛があり,触れると猫の舌のようにざらつく。これが和名由来である。7~10月,斜上した茎の先に径 16~22mmの頭状花を1個つける。舌状花花冠は黄色で,水平に開く。総包は半球形で,各裂片には剛毛が生える。

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百科事典マイペディア 「ネコノシタ」の意味・わかりやすい解説

ネコノシタ

ハマグルマとも。キク科の多年草。本州中部〜沖縄,東南アジアの暖〜熱帯に分布し,海岸の砂地にはえる。茎は地をはい,節から根を出す。葉は卵形で厚く,短毛があり,ざらつく。7〜10月,斜上した茎の先に舌状花と筒状花からなる黄色の頭花を単生。果実は長さ約2mm,先端に密に剛毛がある。

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世界大百科事典(旧版)内のネコノシタの言及

【ハマグルマ(浜車)】より

…分布域は伊豆半島以西,四国,九州,琉球から東南アジアに至る。同じくハマグルマと呼ばれるものにネコノシタW.prostrata (Hook.et Arn.) Hemsl.がある。これは海岸の砂浜に生える多年草で,クマノギクと同様に地をはう性質がある。…

※「ネコノシタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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