ノミノツヅリ(読み)のみのつづり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノミノツヅリ」の意味・わかりやすい解説

ノミノツヅリ
のみのつづり / 蚤綴
[学] Arenaria serpyllifolia L.

ナデシコ科(APG分類:ナデシコ科)の越年草。茎は細く、よく分枝して高さ5~20センチメートル。葉は柄がなく、卵形で長さ5ミリメートルと小さく、先はとがる。春から夏、葉腋(ようえき)に小さな花を開く。花弁白色、切れ込みはない。ユーラシア大陸原産の雑草で、世界に広く分布し、日本全土の道端や人家の庭、荒れ地に普通に生える。名は、小さな花をノミの衣に見立てたもの。全体に腺毛(せんもう)がある変種ネバリノミノツヅリといい、各地にみられる。

[三木栄二 2021年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノミノツヅリ」の意味・わかりやすい解説

ノミノツヅリ(蚤の綴り)
ノミノツヅリ
Arenaria serpyllifolia; sandwort

ナデシコ科の繊細な越年草。世界各地に広く分布する。路傍田畑に普通にみられる雑草で,茎は細く下部より分枝しやや開出,高さ 10~25cmになる。葉は卵形または広楕円形鋭頭,無柄で長さ3~6mm。5~6月頃,まばらな集散花序多数の白色5弁の小花をつける。種子腎臓形で長さ 0.5mm。

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