ハエマンサス(読み)はえまんさす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハエマンサス」の意味・わかりやすい解説

ハエマンサス
はえまんさす
[学] Haemanthus

ヒガンバナ科(APG分類:ヒガンバナ科)ハエマンサス属の総称南アフリカから熱帯アフリカ原産で、約60種知られる。園芸上は春植え球根草とし、一般に冬季は温室で栽培する。日本でも数種類がよく知られ、マユハケオモト(眉刷毛万年青)H. albiflos Jacq.は、葉は常緑で美しく、舌状を呈し、2~4枚つき、長さ15~20センチメートル、幅7~10センチメートル、やや多肉質である。10月ころ、約10センチメートルの花茎を出し、先端に散形花序をつくって小さな白色花を密生する。白い糸状の雄しべおよび花被片(かひへん)が、眉刷毛(まゆはけ)のようにみえ、名の由来となっている。またセンコウハナビ線香花火Scadoxus multiflorus (Martyn) Raf.(H. multiflorus Martyn)は、葉は3~4枚つき、長楕円(ちょうだえん)形で長さ15~30センチメートル、質は薄く、冬は黄変する。30~50センチメートルの花茎を出し、先端に球状で径約15センチメートルの散形花序をつける。

[平城好明 2019年1月21日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハエマンサス」の意味・わかりやすい解説

ハエマンサス
Haemanthus; African blood lily

ヒガンバナ科ハエマンサス属の総称。アフリカに約 60種が分布する球根植物。中央脈を欠く幅広の葉が根出するものと,長い葉柄の基部が重なって偽茎を形成するものがある。多数の小花が太い花茎の頂部で散形花序を形成。仏炎包が花を取巻く。花被片は6個で,6本のおしべが花被から突出する。マユハケオモト H.albiflosは,眉はけを連想させる白い花序の様子から和名がつけられた。朱赤色の花序をつけるハエマンサス・カテリナエ H.katherinaeやハエマンサス・ムルティフロルス H.multiflorus,ハエマンサス・マグニフィクス H.magnificusなども栽培される。水はけのよい半日陰の環境を好む。冬期は5℃以上に保つ。

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