ハクモクレン(読み)はくもくれん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハクモクレン」の意味・わかりやすい解説

ハクモクレン
はくもくれん / 白木蘭
[学] Magnolia denudata Desr.
Magnolia heptapeta (Buchoz) Dandy

モクレン科(APG分類:モクレン科)の落葉高木。中国原産で、古く日本に渡来した花木である。大きいものは20メートルにもなる。3~4月、淡黄白色の花が葉の展開に先だって開き、木全体に花をつけ、大木の花期は壮観である。シモクレンコブシなどと違い、萼片(がくへん)は質、大きさともに花弁とほぼ同じ。シモクレンとともに多数の園芸品種が作出されている。シモクレンとの雑種群も多く、日本ではサラサレンゲニシキモクレンなどが庭木とされる。シモクレンと本種のつぼみを辛夷(しんい)といい、漢方薬として頭痛、鼻炎などに用いる。繁殖は、コブシを台木とした接木(つぎき)や実生(みしょう)による。

[植田邦彦 2018年8月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハクモクレン」の意味・わかりやすい解説

ハクモクレン(白木蓮)
ハクモクレン
Magnolia denudata; yulan

モクレン科の落葉高木で,中国原産。古くから日本に伝わり各地で庭に植えられている。幹は直立して分枝し,高さ約 5mになる。葉は互生し厚く短い柄があり,広い楔形倒卵形で長さ 10cm前後ある。春早く,枝の先に白色の大花をつけ,日が当ると開き,多数咲いて香りが高い。萼は花弁状化して3片,花弁は6枚で2列生,どちらも倒卵形で長さ約 7cm。おしべめしべはともに多数ある。めしべは細長い円錐状の花托の上に並び,全体として穂のようになる。花後,この穂の部分がそっくり集合果をつくり長さ 10cmほどになる。袋果は成熟して開裂すると,白色の糸により赤色種子を垂れ下げる。和名モクレンに似て花が白いところからつけられたもの。

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