ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリール」の意味・わかりやすい解説
ハリール
Al-Khalīl
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古代イスラエルの管楽器。語源はヘブライ語のハラルhalal(〈孔をあけて通す〉の意)で,パイプ状の笛のこと。ハリールが元来どんな種類の笛であったかは定かでないが,今日一般には,シングル・リードの吹口をもつ,クラリネット系の双管の縦笛と推定されている。双管のうち1管は旋律管で1管はドローン(持続音)管。今日のアラブの楽器アルグールなどがこれに対応する。C.ザックスは,このハリールを,ダブル・リード吹口をもつオーボエ系の双管の縦笛と解釈している。とすれば,これは今日のアラブのスルナイの類ということになる。ハリールは民族楽器として,生活の中で吹かれたが,歓喜に心躍るとき,あるいは喪に服すべきときには,宗教儀式でも用いられた。なお,現代ヘブライ語では,ハリールの名は西洋のフルート属の楽器(フルート,リコーダーなど)と同義に使われている。
執筆者:水野 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…ダビデはイスラエル全土を統一するまで,ここを拠点に南部のユダ地方を7年半の間治めた。町のアラビア語名ハリールal‐Khalīlは〈友〉の意で,敬虔なアブラハムが神を友としていたことに由来する。【池田 裕】。…
※「ハリール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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