バリシア石(読み)バリシアせき(その他表記)variscite

最新 地学事典 「バリシア石」の解説

バリシアせき
バリシア石

variscite

化学組成AlPO4・2H2Oの鉱物直方晶系,空間群Pcab, 格子定数a0.983nm, b0.963, c0.855(Lucin型),a0.990, b0.966, c1.718(Messbach型),単位格子中それぞれ8分子,16分子含む。微細な結晶からなる皮殻,脈,ノジュール,小球をなす。まれに八面体の結晶。無色黄緑~濃緑色,透明ないし半透明で,ガラス光沢~脂肪状光沢。劈開{010}に完全,{001}にわずか。硬度3.5~4.5, 比重2.57~2.59。薄片では無色~淡緑色,屈折率α1.563, β1.588, γ1.594,ただし屈折率の変動が大きい。2V(-)~52°, 光分散vr弱。主に,アルミニウムに富む堆積岩とリン酸を含む天水との反応によって生成。浅熱水鉱脈中の空隙にもふつうに産する。石英・銀星石・クランダル石・メタバリシア石・りん灰石などを伴う。Alを置換してFe3が入る(リン鉄鉱)。名称は,原産地ドイツのVoigtland地方の古名でラテン語のVarisciaに由来。

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バリシア石」の意味・わかりやすい解説

バリシア石
ばりしあせき
variscite

含水リン酸アルミニウムの鉱物。メタバリシア石metavarisciteほかもう一種とは同質三像関係にある。堆積(たいせき)岩中に脈あるいは団塊をなし、また低温熱水鉱脈鉱床中に石英や銀星石とともに脈石鉱物として産する。岐阜県大垣市昼飯(ひるい)花岡山のものは前者の堆積岩中に脈の形で、静岡県下田市河津(かわづ)鉱山閉山)のものは後者に属する。アメリカ、ユタ州フェアフィールドFairfield産の団塊は美しい淡緑色緻密(ちみつ)なもので、飾り石として珍重されている。命名は原産地ドイツの一地方名フォクトラントVogtlandの古名バリシアVarisciaにちなむ。

加藤 昭 2018年5月21日]


バリシア石(データノート)
ばりしあせきでーたのーと

バリシア石
 英名    variscite
 化学式   Al[PO4]・2H2O
 少量成分  Fe3+,Sc,Cr3+,V5+
 結晶系   斜方(直方)
 硬度    4.5
 比重    2.59
 色     無、白、淡緑
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に良好
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい冬のこと。「冬将軍の訪れ」《季 冬》...

冬将軍の用語解説を読む