バンデイラ(読み)ばんでいら(英語表記)Manuel Carneiro de Sousa Bandeira Filho

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンデイラ」の意味・わかりやすい解説

バンデイラ
Bandeira Filho, Manuel Carneiro de Sousa

[生]1886.4.19. ペルナンブコ,レシフェ
[没]1968.10.13. リオデジャネイロ
ブラジル詩人。リオデジャネイロで中等教育を受け,サンパウロ大学工学部に入学したが,結核のため勉学を断念しヨーロッパで静養。帰国後の 1917年第1詩集『時の灰』A Cinza das Horasを出版して称賛を受け,2年後『カーニバル』 Carnavalを発表,ブラジル近代主義の推進者となった。 38~43年ペドロ2世高校で文学を教え,40年ブラジル文学アカデミー会員となった。ほかに,詩集『放縦』 Libertinagem (1930) ,『明けの明星』 Estrela da Manhã (36) ,『作品第 10』 Opus 10 (52) ,『全詩集』 Poesias Completas (44~54) ,『宵の明星』 Estrela da Tarde (63) ,評論『文学史概説』 Noções de História das Literaturas (40) ,『詩と詩人について』 De Poetas e de Poesia (54) 。

バンデイラ
bandeira

16世紀末から 18世紀にかけてのポルトガル植民地ブラジルで,金・銀鉱山を探したり,植民地産業 (サトウキビ栽培,鉱山) の労働力として必要な先住民 (インディオ) を駆り集めるための奥地遠征隊およびその事業。そのメンバーバンデイランテス bandeirantesと呼んだ。主としてポルトガル人とインディオとの混血児 (マメルーコ) で隊を組織し,内陸の森林地帯で原始的生活を送っていたインディオを征服しながら,ブラジルの領土を内陸に拡大していった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンデイラ」の意味・わかりやすい解説

バンデイラ(遠征隊)
ばんでいら
bandeira

16~17世紀、ブラジルの植民地時代に、大西洋沿岸の諸集落から内陸に向けて派遣された大規模な遠征隊のうち、サン・パウロを根拠地とするものをさす。別称エントラーダentrada、参加者をバンデイランテbandeiranteという。貴金属、宝石探査、インディオ奴隷の捕獲を目的とした。ポルトガル系白人のみでなく、マメルコとよばれた白人とインディオの混血、先住民のインディオが混成部隊をつくり、内陸のスペイン系イエズス会の教化集落を襲い、定住化し始めていたインディオを多数捕獲し、砂糖農園などへ奴隷として売却した。サン・パウロがとくに盛んだったのは、同地方が北東部沿岸の砂糖農園のような輸出産業を発展させることができなかったからであった。1693年にはサン・パウロのバンデイラがミナス地方で金を発見し、18世紀中ごろまでのゴールド・ラッシュを引き起こした。彼らの活動によってブラジルの国土は当初の3倍近くに拡大した。

[山田睦男]


バンデイラ(Manuel Carneiro de Sousa Bandeira Filho)
ばんでいら
Manuel Carneiro de Sousa Bandeira Filho
(1886―1968)

ブラジルの詩人。象徴主義から出発したが、「近代主義洗礼のヨハネ」とよばれるように、つねに革新に努め、無韻詩(ブランク・バース)の導入を図る一方、伝統的リズム、形式を現代精神に調和させ、またポルトガル的叙情とブラジル人の感受性の融合に努める。作品には一貫して人生に対する温かさ、情熱があふれている。代表作には詩集『放縦』(1930)、『生涯の星』(1965)がある。

[高橋都彦]

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