日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンビ」の意味・わかりやすい解説
バンビ
ばんび
Bambi. Eine Lebensgeschichte aus dem Walde
オーストリアの作家ザルテン作の動物物語。1923年刊。森の茂みで生まれた子鹿(こじか)のバンビは母鹿に守られ、草花が咲き若木の萌(も)えるなかでカササギ、リス、カケスなどと楽しく暮らす。だが厳しい冬が来、恐ろしい猟師が出没して、母鹿を失った。春、角(つの)が生え、幼なじみの牝(め)鹿ファリーネに愛情を覚えるころ、バンビはかつて年寄りの牡(お)鹿から教わったとおり、立派にひとり立ちしていた。森の自然、そこにすむ動物たちのいたわりや激しい生存競争をリアルに描きながら、しかも人生にも通うような心あるものの一生として物語っている。1942年ディズニーによって映画化された。
[上田真而子]
『高橋健二訳『バンビ』(岩波少年文庫)』