ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パピノー」の意味・わかりやすい解説
パピノー
Papineau, Louis-Joseph
[没]1871.9.24. ケベック,モンテベロ
カナダの政治家。 1808年ローワーカナダ植民地下院に選出されたのち,一時弁護士を開業。アメリカ=イギリス戦争 (1812) に従軍,14年再び下院議員となり,15~22,25~26,28~37年ローワーカナダ植民地下院議長をつとめた。議長としてローワーカナダ総督と城砦閥の統治政策,特に両カナダ併合案および財政政策に異議を唱え,34年ローワーカナダ植民地議会はパピノーの指導下に,フランス系カナダ人の主張を盛った「92ヵ条の決議」を通過させるにいたった。イギリス議会はこれに対し弾圧的な処置で報い,ローワーカナダでは各地で抗議の大衆集会が開かれた。 37年にローワーカナダで反乱が起ったが,パピノーは自身が逮捕者名簿に含まれているのを知り,反乱をみずにアメリカへ亡命。その後パリへおもむき,44年の大赦令によりモントリオールへ帰った。 48年連合カナダ植民地議会に選出されたが,往年の力はふるえずに 54年公生活を引退。
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