行政機関が実施する政策に関し、国民から意見や情報を募集する手続きのこと。意見公募と呼ぶ。行政手続法は政令や省令を定める際、原則として実施を義務付けている。同法は意見を「十分に考慮しなければならない」と定めるが、国側に従う義務はない。政令などの決定後、寄せられた意見や、それに対する国側の見解を公表する。
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意見公募手続の意。行政機関が政策を実施するために政令や法令を定めたり、制度の改廃を行ったりする際、事前に案を公表して意見を募り、集まった意見を考慮する仕組みのこと。パブコメともいう。通常は各省庁のホームページや電子政府総合窓口(e-Gov(イーガブ)ウェブサイト)で意見公募案件が公示される。意見は、定められた期限内に担当部局へ電子メールやファクスで届け出る。提出期間は、原則として案の公示日から起算して30日以上とされる。提出された意見を考慮して政令などが策定されたのち、提出された意見の内容や考慮された結果がインターネットを通じて公開される。
2005年(平成17)6月に行政手続法が改正され、それまでの意見提出手続にかわり、パブリックコメント制度(意見公募手続制度)として法制化された(2006年4月1日施行)。パブリックコメント制度の対象は六つに大別される。(1)政令、(2)府省令、(3)行政機関が決定した事項などで処分の要件を定める告示、(4)申請許可などについての審査基準、(5)不利益処分の判断基準、(6)行政指導指針。国の法制化を受け、地方自治体でも同様の仕組みを取り入れる動きが徐々に広がっている。
施行されたものの、同制度は国民へあまり浸透していなかったが、2011年3月に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故を経験し、国の中長期のエネルギー政策について2012年7~8月に行われたパブリックコメントでは、8万件を超える意見が寄せられた。
また、2012年12月には、「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」に関する指針(出生前検査)に関し、日本産科婦人科学会が独自にパブリックコメントを募集した。これは行政機関とも、医療関係者とも違う視点で国民的な議論が必要な問題だとして、民間組織がパブリックコメントを募ったケースである。
[編集部]
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