一般(読み)イッパン

デジタル大辞泉 「一般」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ぱん【一般】

[名・形動]
広く全体に共通して認められ、行き渡っていること。また、そのさま。全般。「一般傾向」「一般景気悪い

㋐ありふれていること。あたりまえ。普通。「一般会社」「一般市民」
多くの普通の人々。世間。「一般に公開する」
特に違いが認められないこと。また、そのさま。同一。同様。
「私は彼女と同じい罪を犯したも―だ」〈犀星・性に眼覚める頃〉
[類語](1)(「一般に」の形で副詞的に用いる場合)全般に総じて概して多くおしなべておおむね大概普通通例通常一体に総体およそ・広く・遍く広い幅広い手広い広範広範囲多方面多角多面多岐さまざま各種種種諸種いろいろ多様多様化多面的多種多種多様多彩数数いろんなとりどり色とりどり諸諸もろもろ百般万般諸般多元多元的多角的横断的複眼的おしなべて/(2㋐)平凡ありきたり凡俗ありふれる普通一般的尋常通常平常通例標準標準的平均的つねただ当たり前常並み世間並み十人並み月並み凡庸日常茶飯日常茶飯事平平凡凡常套決まりお定まり平板類型的紋切り型芸がないノーマルレギュラースタンダード/(2㋑)世間世人せじん世俗万人ばんにん公衆

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精選版 日本国語大辞典 「一般」の意味・読み・例文・類語

いっ‐ぱん【一般】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 同一であること。また、そのさま。一様。同様。
    1. [初出の実例]「雪片花顔時一般、上番梅追歓」(出典:菅家文草(900頃)一・早春侍宴仁寿殿、同賦春雪映早梅)
    2. 「恰も行旅の始めて家を出で、百里の雲山を有無渺茫の間に望むと一般なる想ありしが」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上)
    3. [その他の文献]〔陸亀蒙‐和襲美贈南陽潤卿将帰雷平詩〕
  3. 共通して全体にわたっていること。また、そのさま。普遍。⇔特殊
    1. [初出の実例]「天武天皇白鳳十四年三月、当国の人民一般(ハン)邪気を受」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)四)
    2. 「民生各箇の福利、并びに邦国一般の文運、日々に増盛することなり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)
  4. 特別な点がなく、ごくあたりまえであること。また、そのような人々やそのようなさま。普通。
    1. [初出の実例]「初めて国会に代議市民を一般に召集したるは」(出典:一局議院論(1885)〈植木枝盛〉一)
    2. 「一般(イッパン)読者を未丁年者として見る目で、さう認めたのは」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一三)

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普及版 字通 「一般」の読み・字形・画数・意味

【一般】いつぱん

同じ。同様。唐・斉己翡翠〕詩 水邊飛び去れば、辨じし 竹裏歸來すれば、色一般

字通「一」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「一般」の意味・わかりやすい解説

一般 (いっぱん)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一般の言及

【西洋哲学】より

…〈インド哲学〉〈中国哲学〉といった呼び名は,おのれの文化のカテゴリーでもって他の文化をも裁断しうると考えるヨーロッパ人の中華思想の表れであるか,あるいはきわめて粗雑な類比にもとづく命名でしかない。してみれば〈哲学〉は,どの文化圏にも見られる一般的な世界観・人生観・道徳思想・宗教思想などとはやはり区別されねばならないものであろう。むろん西洋にもそうした世界観・人生観はあり,それが哲学のうちに混入したり,哲学知の実質的内容をなすことはあったにしても,それと哲学とのあいだには一線が画されるべきなのである。…

※「一般」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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