改訂新版 世界大百科事典 「パリ装飾美術館」の意味・わかりやすい解説
パリ装飾美術館 (パリそうしょくびじゅつかん)
Musée des Arts décoratifs, Paris
チュイルリー宮の北翼,マルサン館内にあり,1905年開館。2階より上層を恒久展示にあて,フランスを中心とする装飾的芸術作品約5万点を収蔵し,形態と趣味の変遷を系統的に示している。1階は特別展示を主とし,現代美術の巨匠展や前衛的な催物が行われてきた。2階は中世からルネサンス,ルイ13世からルイ15世時代までの家具,タピスリー,彫刻,絵画,ガラス細工,陶器,食器,宝石,寄木細工,金銀細工,楽器,武具などが芸術と社会という視点から各時代の特質を明らかにして展示され,また,デュビュッフェの寄贈コレクションがある。3階は大革命から第二帝政に至る動乱時代の生活状態が,家具,壁紙,肖像画,じゅうたん,寝台,書物,衣装にいたるまで当時のままに再現され,最上階にはフランス以外の西欧,イスラム,アジアの主要な装飾芸術,アール・ヌーボーの工芸品,写真,ポスターなどが百科全書的に展示されている。
執筆者:友部 直
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報