日本大百科全書(ニッポニカ) 「パーキンズ」の意味・わかりやすい解説
パーキンズ(Maxwell Evarts Perkins)
ぱーきんず
Maxwell Evarts Perkins
(1884―1947)
アメリカの編集者。ニューヨークの名門の出身。『ニューヨーク・タイムズ』の編集に携わったのち、出版社スクリブナーズに移り、保守的で新人登用に消極的な同社で、新鋭作家R・ラードナー、F・S・フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、トマス・ウルフらの出版を企画し、名編集長とうたわれた。なかでもウルフの『天使よ故郷を見よ』(1929)の未完の原稿を読み、その真価を認めて完成に手を貸したことで知られる。没後刊行された書簡集『編集者より著者へ』(1950)はアメリカ近代文学の貴重な資料。
[島田太郎]
『A・スコット・バーグ著、鈴木主税訳『名編集者パーキンズ』上下(1987・草思社)』