ひもじい

精選版 日本国語大辞典 「ひもじい」の意味・読み・例文・類語

ひもじ・い

〘形口〙 ひもじ 〘形シク〙 (「ひもじひ文字)」の形容詞化) 空腹である。飢えている。ひだるい。
歌舞伎心中鬼門角(1710)上「お茶づけでも進ぢませう物 久松 おひもしかろのふ」
[語誌](1)形容詞化する以前の「ひもじ」は女房詞だが、江戸時代には「ひもじい」として一般語化していた。
(2)江戸後期には「ひだるい時のまずいものなし」「ひもじい時のまずいものなし」両様の諺も見られ、「ひだるい」と「ひもじい」とが同義語として併存していることが確認される。しかし、「ひもじい」が男性も女性も用いるのに対し「ひだるい」は男性が用いることが多い。
(3)意味としては「ひだるい」には「空腹・疲労により体がだるいようす」を表わす用法派生しているのに対し、「ひもじい」にこの用法はない。
ひもじ‐が・る
〘自ラ五(四)〙
ひもじ‐げ
〘形動〙
ひもじ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ひもじい」の意味・読み・例文・類語

ひもじ・い

[形][文]ひも・じ[シク]名詞ひ文字」の形容詞化》空腹で食べ物が欲しい。ひどく腹がへっている。「終戦当時―・い思いをした」
[派生]ひもじがる[動ラ五]ひもじげ[形動]ひもじさ[名]
[類語]えるかつえる腹が減るひだるい食い足りない口寂しい口ざみしいぺこぺこ腹ぺこ空腹空腹感飢餓感飢え飢餓干乾し飢渇飢饉水飢饉空き腹空きっ腹ハングリー腹がすく小腹がすく

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