( 1 )形容詞化する以前の「ひもじ」は女房詞だが、江戸時代には「ひもじい」として一般語化していた。
( 2 )江戸後期には「ひだるい時のまずいものなし」「ひもじい時のまずいものなし」両様の諺も見られ、「ひだるい」と「ひもじい」とが同義語として併存していることが確認される。しかし、「ひもじい」が男性も女性も用いるのに対し「ひだるい」は男性が用いることが多い。
( 3 )意味としては「ひだるい」には「空腹・疲労により体がだるいようす」を表わす用法が派生しているのに対し、「ひもじい」にこの用法はない。
《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...