改訂新版 世界大百科事典 「ヒョウタンボク」の意味・わかりやすい解説
ヒョウタンボク
Lonicera morrowii A.Gray
山野にはえるスイカズラ科の落葉低木。花が多数咲くため,庭木や生垣とされる。高さ1~1.5m,細かく分枝する。葉は楕円形で対生し,長さ2.5~5.5cm,毛が多い。花は2個ずつつき,4~5月に咲く。花冠は長さ15~17mm,5裂片に分かれ,初め白く後に黄色くなる。このため金銀木の名もある。子房は下位で3室,基部に苞と小苞がある。液果は6~7月に2個が接して赤く熟し,ひょうたん状となる。食べると苦く有毒である。北海道,本州,四国に分布する日本特産種であるが,欧米で観賞用に栽植される。
スイカズラ属Loniceraは北半球に約150種あり,花が美しく香りがあり,ハナヒョウタンボクL.maackii Maxim.など低木性のいくつかの種が,スイカズラのようなつる性の種とともに庭木として栽培される。隣接する二つの花は互いに合着する傾向をもち,エゾヒョウタンボクL.alpigena L.var.glehnii (Fr.Schm.) Nakaiのように二つの子房が完全に一つになり,見かけ上1子房に二つの花が咲いているようになったものもある。
執筆者:福岡 誠行
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報