日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピアリー」の意味・わかりやすい解説
ピアリー
ぴありー
Robert Edwin Peary
(1856―1920)
アメリカの探検家、海軍軍人。ペンシルベニア州クレッソン・スプリングスに生まれる。1881年海軍土木技師となり、ニカラグア運河の調査隊長となった。86年グリーンランドを探検し、グリーンランドが島であることを確認、91~92年、93~95年にも同島の探検を行った。その結果、極地氷河が北緯82度まで延びていることを明らかにし、氷河の形成やエスキモーの民俗の研究などに重要な貢献をした。その後、北極探検に従事し、1898~1902年には北緯84度17分に、05~06年には北緯87度06分に達し、ついに09年4月6日に北極点に到達した。しかし、1891年の探検隊員であったF・A・クックがピアリーより先に北極点に到達したと主張して論争となったが、科学的調査の結果、ピアリーの主張の正しさが、アメリカ地理学会によって立証された。1911年、少将となって退役した。著書には有名な『北極』The North Pole(1911)がある。
[市川正巳]