ピコリン(読み)ぴこりんでーたのーと(英語表記)picoline

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピコリン」の意味・わかりやすい解説

ピコリン(データノート)
ぴこりんでーたのーと

ピコリン
 分子式 C6H7N
 分子量 93.1

異性体
2-ピコリン(α-ピコリン)

 融点  -64℃
 沸点  129.2℃/758.5mmHg
 比重  (d)0.9404
 屈折率 (n)1.4983

3-ピコリン(β-ピコリン)

 融点  -18℃
 沸点  143.8℃
 比重  (d)0.9515
 屈折率 (n)1.5038

4-ピコリン(γ-ピコリン)

 融点  3.6℃
 沸点  145.5℃/763.9mmHg
 比重  (d)0.9502
 屈折率 (n)1.5029


ピコリン
ぴこりん
picoline

環内に窒素原子1個をもつ複素環式化合物一種で、メチルピリジンともよばれる。コールタール中の塩基性成分として知られているほか、骨油中にも含まれている。メチル基位置により2-ピコリン(α(アルファ)-ピコリン)、3-ピコリン(β(ベータ)-ピコリン)、4-ピコリン(γ(ガンマ)-ピコリン)の3種の異性体が存在する。いずれもピリジンに似たにおいをもつ無色液体で、弱い塩基性をもっている。溶剤消毒剤加硫促進剤原料などとして用いられる。

[廣田 穰 2015年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピコリン」の意味・わかりやすい解説

ピコリン
picoline

化学式 C6H7N 。ピリジンの水素原子1個をメチル基で置換した化合物。メチル基の位置によって3種の異性体 (α体,β体,γ体) がある。沸点はα体 128~129℃,β体 143~144℃,γ体 145℃である。いずれも特有の臭気をもつ無色の液体で,溶媒染料の原料に用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android