ピュビスドシャバンヌ(英語表記)Pierre Puvis de Chavannes

デジタル大辞泉 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・読み・例文・類語

ピュビス‐ド‐シャバンヌ(Pierre Puvis de Chavannes)

[1824~1898]フランス画家フレスコ画伝統を基盤に油彩による壁画を多く制作静謐せいひつ高雅画風で知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・読み・例文・類語

ピュビス‐ド‐シャバンヌ

  1. ( Pierre Puvis de Chavannes ピエール━ ) フランスの画家。ドラクロアらに師事したが、イタリアのフレスコ画に共鳴し壁画の制作に向かう。神話、歴史、宗教アレゴリー主題とし、形態平面化単純化し、色彩は白っぽい寒色系を多く用いた。後期印象派の画家達に重視された。(一八二四‐九八

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改訂新版 世界大百科事典 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・わかりやすい解説

ピュビス・ド・シャバンヌ
Pierre Puvis de Chavannes
生没年:1824-98

フランスの画家。リヨンの富裕な家に生まれ,古典教育を受ける。シェフェールH.Scheffer,ドラクロア,クテュールらから教えを受けるが,とくにシャセリオーの会計院の壁画によって開眼し,壁画装飾の道へと進む。彼の様式はプリミティフな印象を与える平面的な切りぬかれたような形態と,冷たく静かな色彩,動きのない静止したポーズなどに特色があり,後期印象派やナビ派の画家たちに影響を与えた。初期には8回もサロン(官展)に落選したことがあったが,60年代から認められはじめるとまもなく,公の建築装飾の第一人者となり,パリ市庁舎,ソルボンヌの校舎,パンテオン,ボストン図書館などの壁面装飾に携わった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・わかりやすい解説

ピュビス・ド・シャバンヌ
ぴゅびすどしゃばんぬ
Pierre Puvis de Chavannes
(1824―1898)

フランスの画家。リヨン生まれ。病後のイタリア旅行で画家としての天職に目覚める。パリでシェフェール、ドラクロワクーチュールのもとで学ぶが、とりわけシャッセリオの影響を受け、彼の会計監査院の壁画により大画面の装飾画に開眼する。1861年のサロンに、対(つい)をなす2点の大装飾画『協和』と『戦争』を出品。前者が国家買上げとなると、後者は画家によって寄贈され、ともにアミアンの美術館に設置される。以来この分野で認められ、壁画の伝統の復興者とみなされるようになり、パンテオン、ソルボンヌ大学、パリ市庁舎、リヨン美術館、ボストン図書館など、公共建造物の装飾壁画を数多く手がけた。柔らかで冷たく平板な色調を用いて三次元性を抑制し、静的な人物像によって理想的世界をつくりだす。静謐(せいひつ)な荘重さと単純な優美さを備えたその作風は、彼を19世紀後半のもっとも偉大な装飾画家の一人とするとともに、後期印象派やナビ派など多くの画家に影響を与えることにもなった。

[大森達次]


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百科事典マイペディア 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・わかりやすい解説

ピュビス・ド・シャバンヌ

フランスの画家。リヨン生れ。古典主義風の厳格な構成と典雅な人物およびその動き,灰色を主調とする調和的な色彩,様式化された装飾性などを特色とし,古代にモティーフを求めたフレスコ画が多い。代表作にパリのパンテオンの連作《聖ジュヌビエーブ伝説》(1874年―1878年),《貧しき漁夫》(1881年,オルセー美術館蔵)などがある。
→関連項目青山熊治ゴンサレス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピュビスドシャバンヌ」の意味・わかりやすい解説

ピュビス・ド・シャバンヌ
Puvis de Chavannes, Pierre (Cecile)

[生]1824.12.14. リヨン
[没]1898.10.24. パリ
フランスの画家。 T.クーチュール,ドラクロアらに師事。一種の理想主義的,象徴主義的な画風を確立し,当時は印象主義的作風の全盛期であったが,静かで明確なビジョンと建築的構成をもって描き,とりわけ 19世紀の例外的な壁画家の一人とされた。パリ市庁やパリ大学に描いた壁画は,別に制作した油絵をあとから壁に取付けたもの。パリ,パンテオンの壁画『聖ジュヌビエーブ伝』 (1874~78,98) や油絵『貧しき漁夫』 (81,オルセー美術館) が名高い。

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