フィリピン海(読み)フィリピンかい(英語表記)Philippine Sea

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリピン海」の意味・わかりやすい解説

フィリピン海
フィリピンかい
Philippine Sea

太平洋西部にある付属海の一つ。フィリピン諸島 (ルソン島,サマル島,ミンダナオ島など) の東縁に沿って広がる海域。周辺にはほかに,パラオ諸島ヤップ島,ウリシ環礁,マリアナ諸島小笠原諸島,日本列島,琉球諸島台湾などがある。南北 2900km,東西 2400km,面積 100万 km2海底は周辺の島弧形成の際に,褶曲断層運動によって構造盆地として形成された。平均水深 6000m,最深部はフィリピン海溝の1万 497m。海盆底からそびえ立つ多数の海山があり,一部は頂部が平坦な火山性平頂海山でサンゴにおおわれている。暖かい北赤道海流フィリピン海南部を横切って西へ流れ,フィリピン諸島にぶつかって,一部はルソン島近くで北に転進して黒潮となり,一部は黒潮反流としてフィリピン海に戻り,さらに一部は北赤道反流となる。ハリケーンや台風の発生場所で,暴風雨は特に9月が強い。第2次世界大戦で,日米決戦の戦場とされた (1944) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィリピン海」の意味・わかりやすい解説

フィリピン海
ふぃりぴんかい
Philippine Sea

フィリピン群島の東に接する西太平洋の一部。西はフィリピン群島、北西は台湾および日本の南西諸島北東小笠原(おがさわら)諸島、東はマリアナ諸島、パラオ諸島に囲まれる海域である。世界でもっとも深い海の一つで、フィリピン、琉球(りゅうきゅう)、マリアナ、ヤップなど多くの海溝があり、マリアナ海溝中には世界の海の最深点がある。海域南部は台風の発生地として知られ、フィリピン北部、沖縄、西日本にたびたび大被害をもたらす。

[別技篤彦]

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