インドネシア東部,モルッカ諸島中の最大の島。別名ジャイロロJailolo島。面積1万8000km2,人口約12万。スラウェシ島に類似するK字状の島で,環太平洋造山帯の激しい運動を被った地塊状山地の集合体である。南,北,および東方に突出する四つの半島からなり,その間にカウ,ブリ,ウェダの三大湾を抱く。最高点は北半島のガムコノラ山(標高1635m)。香料貿易を主として古くから開けた西岸の小島テルナテ王国の支配を受けてきたが,1683年にオランダ領とされた。住民はモルッカ諸島を中心とする先住民アルフル族で,人口の70%までは北半島に集まり,ことにモルッカの歴史的中心テルナテ島に接する西海岸に多い。杭上居住を主とし,主食は山野に自生するサゴヤシのデンプンを調理したものであった。しかし最近の調査によると,近年は小麦粉,バナナ,サツマイモ,米など新しい主食の導入が少しずつ行われ,食生活も変わってきている。このほか樹脂なども採集している。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
インドネシア北東部、モルッカ諸島北部にある同諸島最大の島。別称ジャイロロDjailolo島。面積1万8000平方キロメートル。西岸はモルッカ海に面し、東岸の北部は太平洋に、南部はハルマヘラ海に臨む。島の形はK字状をなし、同島西岸沖合い240キロメートルにあるスラウェシ島を小型化した様相を呈する。すなわち、北・北東・南東・南方向に突出する四つの半島から構成され、それぞれに山脈が走っている。構造的には環太平洋造山帯に属し、最高峰のガムコノラ山(1635メートル)をはじめいくつかの火山が主として北部半島に点在する。海岸線は入り江に富み、概して複雑である。南部半島の中央部を赤道が通過し、高温多湿の気候を呈する。年降水量は2300ミリメートル。
かつては西隣の小島テルナテ島を中心に繁栄したテルナテ土侯国の支配下にあったが、17世紀後期にオランダの植民地となり、さらに太平洋戦争時には日本軍に占領された。住民はマレー系種族のアルフール人とパプア系種族で、香料、サゴヤシ、タバコ、米などを栽培する。北部半島が島の経済活動の中心をなし、沿岸部には西岸のジャイロロをはじめ多数の集落がある。
[上野福男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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