日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェネチジン」の意味・わかりやすい解説
フェネチジン(データノート)
ふぇねちじんでーたのーと
分子式 | C8H11NO |
分子量 | 137.2 |
異性体
o-フェネチジン | |
融点 | -20℃ |
沸点 | 232.5℃ |
密度 | 1.051(25℃) |
屈折率 | (n)1.555 |
m-フェネチジン | |
融点 | ― |
沸点 | 248℃ |
p-フェネチジン | |
融点 | 2.4℃ |
沸点 | 244℃ |
密度 | 1.065(25℃) |
屈折率 | (n)1.559 |
[参照項目] |
フェネチジン
ふぇねちじん
phenetidine
芳香族アミンの一つ。エトキシアニリンともよばれる。化学式C2H5OC6H4NH2。o(オルト)-、m(メタ)-、p(パラ)-フェネチジンの3種の異性体が存在し、いずれも純粋なものは無色の液体であるが、空気にさらしておくと赤褐色に着色する。水には不溶であるが、多くの有機溶媒にはよく溶ける。塩基性があるので薄い酸にもよく溶ける。3種の異性体のうちでp-異性体がもっとも重要である。
p-フェネチジンは、以前には人工甘味料ズルチンの合成中間体として用いられていた。アゾ染料、トリフェニルメタン系染料や医薬品の合成中間体としても重要であり、バナジウムの定量分析の試薬としても用いられている。
[廣田 穰 2015年7月21日]
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