日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォーディズム」の意味・わかりやすい解説
フォーディズム
ふぉーでぃずむ
Fordism
アメリカの実業家ヘンリー・フォードの経営理念。その考え方は彼の著書『My life and work』(私の生涯と仕事)のなかで、次のように説かれている。〔1〕将来の失敗に対する恐怖や過去にとらわれないこと、〔2〕競争に意を用いないこと、〔3〕奉仕を利潤に先行させること、〔4〕製造するということは、安く買って高く売ることではない。材料を適正価格で買い入れ、できるだけ少ない費用で製品化して、需要者に売ることが製造の過程である。
フォーディズムを実践するための方式をフォードシステムとよぶ。すなわち、「低価格・高賃金」を実現するために、〔1〕生産の標準化、〔2〕流れ作業方式(コンベヤー・システム)の採用などによって、生産管理の合理化を図る。一般には、コンベヤーによる流れ作業方式をフォードシステムの代表的なものとしている。
[玄 光男]