フッガー(その他表記)Fugger, Jacob II

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フッガー」の意味・わかりやすい解説

フッガー
Fugger, Jacob II

[生]1459.3.6.
[没]1525.12.30.
ドイツ,アウクスブルクの大財閥フッガー家の最盛期を現出させた人物。そのため「富裕者」 der Reicheと呼ばれた。初め聖職についたが 1478年に還俗して家業を継いだ。 87年にはハプスブルク家に対して最初の貸付けを行い,その担保としてチロルの銀と銅の鉱山を獲得。次いでハンガリーの鉱山業にも進出,鉱山業をフッガー家の富の基盤とした。さらにローマ教皇とも金融上の関係を結び,カトリック教会と深く関係した。 M.ルターの宗教改革の動機となった贖宥状販売の背後には,フッガー家があったが,神聖ローマ皇帝カルル5世選出の資金の過半を彼が調達したことは有名。

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百科事典マイペディア 「フッガー」の意味・わかりやすい解説

フッガー[家]【フッガー】

15―16世紀,南ドイツのアウクスブルクの大財閥。ヤーコプJakob F.〔1414-1469〕はベネチアとの香料・羊毛取引で産を成し,その末子ヤーコプ2世〔1459-1525〕の代にチロルやハンガリーの領邦君主から鉱山特権を取得,屈指の国際的金融財閥に躍進。皇帝や教皇への融資を通じてしばしば国際政治をも左右した。16世紀後半,スペインへの貸付けの失敗や,投機の中心としていたアントワープ衰退などにより没落。前期的商業・高利貸資本典型
→関連項目アウクスブルクウェルザー[家]

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