フランダースの犬(読み)ふらんだーすのいぬ(英語表記)A Dog of Flanders

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランダースの犬」の意味・わかりやすい解説

フランダースの犬
ふらんだーすのいぬ
A Dog of Flanders

イギリスの女流作家ウィーダの児童文学作品。1872年作。ベルギーフランダース地方の小村に祖父と暮らす少年ネルロは、老犬パトラッシュの引く荷車で牛乳を町へ売りに行く貧しい生活をしながら、絵への野心をもち、金持ちの粉屋の娘アロアの肖像を描く。だがアロアの父は、祖父の死後ネルロを村から追い出す。ネルロはコンクール落選に追い討ちされて絶望し、雪のなかで拾った粉屋の大金をパトラッシュに届けさせたあと、ルーベンスの絵の前で凍死する。貧しい人々と動物への深い愛情、ベルギーの風土、人物像の巧みな描出などによって、いまもなお読み継がれている。

神宮輝夫

『村岡花子訳『フランダースの犬』(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランダースの犬」の意味・わかりやすい解説

フランダースの犬
フランダースのいぬ
A Dog of Flanders

イギリスの女流作家ウィーダの少年小説。 1872年刊。アントワープ近くの村に住む少年ネロと老犬パトラシエの愛情を主題とした物語で,世界的に広く愛読されてきた。

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