フレキシブルディスプレー(読み)ふれきしぶるでぃすぷれー(その他表記)flexible display

デジタル大辞泉 の解説

フレキシブル‐ディスプレー(flexible display)

柔軟な素材でできた変形可能なディスプレーのこと。軽量薄型で電源を切っても表示が消えないタイプ電子ペーパーという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フレキシブルディスプレー
ふれきしぶるでぃすぷれー
flexible display

全体が薄くて軽く柔軟で、落としても壊れにくく、折り曲げることや、丸めることができる次世代ディスプレーの総称。基板に堅いガラスなどが用いられていたディスプレーの電子回路にかわり、プラスチック基板を使用できるようになったことによって実現した。

 おもに、テレビパーソナルコンピュータ(パソコン)用途のフラットパネルディスプレーを薄型化した液晶有機ELのタイプと、電子ペーパータイプの2種類がある。前者は動画の表示ができ、これまでのテレビ用途などのディスプレーと同等の性能をもつ。なかでも、有機ELタイプはきわめて薄く柔軟なパネルを構成できる積層構造であり、フレキシブルディスプレーに適した特性を有している。後者の電子ペーパータイプは、白と黒の顔料粒子に電圧をかけて移動させることで表示する電気泳動方式と、特定の光の波長のみを反射する性質を生かしてカラー表示ができるコレステリック液晶の2種類が中心である。いずれも太陽光や蛍光灯の光を反射して文字や静止画などを画面に表示し、さらに表示した状態を維持する性質がある。そのため、電源を切っても表示は維持され、表示を変更するとき以外は電力を消費しないという特徴がある。ただし動画再生には不向きである。技術特性を考慮した製品開発が進むことで、テレビや電子書籍電子新聞といった印刷媒体などの視聴環境、携帯端末の利用方法をはじめ、ポスター看板ラッピングなど、生活に直結したさまざまな分野に大きな影響を与えると考えられている。

[編集部]

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