ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フロンティア学説」の意味・わかりやすい解説
フロンティア学説
フロンティアがくせつ
frontier theory
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アメリカの歴史学者フレデリック・J・ターナーが唱えた学説。彼の1893年の論文『アメリカ史におけるフロンティアの意義』において初めて発表され、その後のアメリカ史研究に著しい影響を与えた。すなわち、その学説は、19世紀末までのアメリカ合衆国には、西部に「フロンティア」(辺境地域)があり、東部から西部への人口の移動が絶えず行われていたために、フロンティアの環境に適応した社会や文化が新しく生まれ、個人主義が育ち、民主主義が発達した、というものであって、フロンティアがアメリカ独自の制度、民主主義、国民性の創造に決定的な役割を果たした、と考えるものである。
[平野 孝]
『渡辺真治著『フロンティア学説の総合的研究』(1980・近藤出版社)』
アメリカ史におけるフロンティアの意義に関するアメリカの歴史学者ターナーの見解。彼は19世紀末から20世紀初めにかけていくつかの論文を発表し,フロンティアの前進こそアメリカ史を説明する鍵であり,フロンティアがアメリカ人に絶えず自由で平等な活動の機会を与え,彼らの自主独立の国民性を育て,アメリカ民主主義を発展させたものであると主張した。彼の説はアメリカの歴史学界に大きな影響を与えた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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