演奏会(読み)エンソウカイ(その他表記)concert 英語

デジタル大辞泉 「演奏会」の意味・読み・例文・類語

えんそう‐かい〔‐クワイ〕【演奏会】

聴衆を集めて音楽を演奏する催し。コンサート
[類語]音楽会コンサートリサイタルライブ

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精選版 日本国語大辞典 「演奏会」の意味・読み・例文・類語

えんそう‐かい‥クヮイ【演奏会】

  1. 〘 名詞 〙 聴衆を集めて、音楽を演奏する会。
    1. [初出の実例]「今度錦輝会で同門の者の演奏会(エンソウクヮイ)がござりますやうに」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉二二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「演奏会」の意味・わかりやすい解説

演奏会
えんそうかい
concert 英語
concert フランス語

一般市民など不特定多数の聴衆を対象とした、音楽の演奏を鑑賞する公開の会合オーケストラなど一団の音楽家たちの演奏会(コンサート)の名称として用いる場合が多く、個人あるいは小人数による場合は一般に独奏(唱)会(リサイタル)とよばれる。ヨーロッパにおいては、演奏会にあたるドイツ語Konzertやイタリア語concertoが協奏曲をも意味するように、公開の演奏会の歴史はオーケストラの発展と密接に結び付いている。

 17世紀中期までの音楽演奏の場は、教会、王侯貴族富豪の館(やかた)、あるいは特定の芸術団体であるアカデミーや、大学を母体とするコレギウム・ムシクムに限られ、一般市民が優れた音楽演奏に接しうる場は教会のみであった。市民への音楽の開放は、1637年に開設されたベネチアのサン・カッシアーノ劇場におけるオペラ公演に始まるが、最初の公開演奏会は、作曲家兼歌手ベン・ウォーリングトンの主宰によって1664年にロンドンで開催されたと伝えられる。器楽に関する本格的な公開演奏会は、ロンドン生まれの作曲家兼バイオリン奏者ジョン・バニスターが自宅を演奏会場として1673年に出発している。

 バロックの協奏曲や古典派交響曲など、オーケストラ音楽の開花期となる18世紀に入ると、ヨーロッパ各地に歴史的に名高い定期的な公開演奏会が誕生する。なかでも、ロンドンの古楽アカデミー(1710発足)、バッハ・アーベル演奏会(1765)、ザロモン演奏会(1783)、パリコンセール・スピリチュエル(1725)、コンセール・デ・ザマトゥール(1769)、ライプツィヒのゲバントハウス演奏会(1781)などが注目される。宮廷音楽が崩壊し、一般市民が音楽の担い手となった19世紀と20世紀においては、公開演奏会はオペラとともに西洋音楽生活の中心的存在となっている。

[中野博詞]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「演奏会」の意味・わかりやすい解説

演奏会
えんそうかい
concert

一般聴衆のために音楽を演奏する催し。 17世紀末までは,音楽演奏は教会,貴族の館,アカデミー,コレギウム・ムジクムなどの私的な集りで行われた。最初の公開演奏会は 1637年ベネチアの聖カッシアノ劇場のオペラ上演であり,72年以来ロンドンでも盛んに催された。 1725年以来のパリの「コンセール・スピリチュエル」の演奏会は交響曲の発達に貢献。ドイツでは 81年 J.ヒラーによって始められた「ライプチヒ・ゲバントハウス音楽会」が最も古い定期演奏会として知られる。演奏会はその目的,形態によって,オーケストラ,室内楽,オペラ,独奏,独唱会などさまざまに分類される。

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