日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブックマン」の意味・わかりやすい解説
ブックマン
ぶっくまん
Frank Nathan Daniel Buchmann
(1878―1961)
オックスフォード・グループ運動、道徳再武装運動(MRA)の提唱者。スイス系アメリカ人でルター派の牧師。1908年渡英してケズウィック集会に参加し、十字架体験を得たあとは、YMCA運動の推進者J・R・モットの勧めに従って念願の学生伝道に従事する。創設した「第1世紀キリスト者運動」を、1921年ケンブリッジとオックスフォード両大学で開催して成功した。オックスフォード・グループとは、学生を引率して南アフリカに伝道した際に現地の新聞でつけられた名称であり、のちに道徳再武装運動Moral Re-Armamentとよばれた。4項目の絶対的な徳目(真実、純潔、無私、愛)を強調する個人の道徳的変革を提唱した(1938)からである。1946年スイスのコーに世界協議会センターを建設したが、運動の性格が戦後は反共運動に変質した。
[川又志朗 2018年1月19日]