MRA(読み)えむあーるえー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「MRA」の意味・わかりやすい解説

MRA
えむあーるえー

MRI磁気共鳴映像法)を用いた血管造影法。MRアンギオグラフィ(アンジオグラフィ)magnetic resonance angiographyの略称である。MR血管撮像法あるいは磁気共鳴血管造(撮)影ともよばれる。従前の血管造影は、カテーテルを目標の血管まで挿入し、ヨード造影剤を注入して行うカテーテル法が行われていたが、近年ではこの磁気を用いるMRAのほか、カテーテルを動脈まで挿入せずに造影剤を静脈内に注射するだけの、低侵襲で被験者の負担の少ない、CT血管造影法あるいはCTアンギオグラフィ(CTA)とよばれる三次元血管造影(撮影)法が主流となっている。MRAによる造影では広い範囲の断面を三次元撮像し、得られたデータをコンピュータでグラフィック処理して薄い断面に分解し、あるいは三次元の立体画像として表示しながら血管の狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)の状態を観察する。造影にあたっては、造影剤を静脈注射して行う方法と注射しない方法がある。

 MRAはCTAに比べてもさらに被験者に負担の少ない低侵襲の造影法である。またMRAは広範囲を高速で撮像することにより、これまでむずかしかった、心筋酸素栄養を供給している冠状動脈など、動きの激しい血管についても鮮明な画像が得られるようになってきている。これまで行われてきたカテーテル法は、MRAやCTAの進歩により診断目的の血管造影には使われなくなってきているが、血管狭窄部へのステント留置、抗癌(がん)薬の注入といった治療目的で用いられることが多くなっている。

[編集部 2016年6月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「MRA」の意味・わかりやすい解説

MRA
エムアールエー
Moral Re-Armament

道徳再武装運動。 1921年アメリカの F.ブックマンによって始められた宗教運動で,オックスフォード大学で多くの支持者を得たのでオックスフォード・グループともいわれる。 38年7月ロンドンで MRAとして発足した。本部スイスコーにある。キリスト教を基調に,正直,純潔,無私,愛の4つを信条とし,人種,宗教,職業の別なく心の道徳的武装による世界平和の達成を目指している。第2次世界大戦後は労使協調なども重視している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報