山川 世界史小辞典 改訂新版 「ブルガール人」の解説
ブルガール人(ブルガールじん)
Bulgar
トルコ系遊牧民。6~7世紀ヴォルガ川下流域,アゾフ海周辺にクブラトをハンとする部族同盟を結成。その死後同盟は分裂。クブラトの第2子コトラグに率いられた集団は,ヴォルガ川上流のカマ川との合流地域に移住。ハザル・カガン国の勢力下にヴォルガ・ブルガール王国を築いた。922年アッバース朝と通商関係を結びイスラームを受容し,965年に独立。交易で栄えたが,1236年モンゴルに滅ぼされ,のちにキプチャク・ハン国に編入された。第3子アスパルフに率いられた集団はドナウ川下流域に移住。スラヴ人を支配してビザンツ帝国と戦い,681年講和により第1次ブルガリア帝国(ドナウ・ブルガール・ハン国)が成立した。ブルガール人はしだいに住民の多数を占めるスラヴ人に同化していった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報