イギリスで作出された闘犬の1種。18世紀の中ごろはイギリスでイヌと牡牛(おうし)を戦わせるブルペインティングが盛んに行われており、それに用いる闘争性の高いイヌがつくり出されていた。ブルテリアはこうしたブルペインティング用のイヌにオールドイングリッシュホワイトテリアを交配して作出されたものである。作出・固定化の途中でダルメシアンとも交配された。当初は毛色もさまざまであったが、やがて白色に統一され、犬界の拳闘士とか白い騎士と称される勇敢で活動的な犬種となった。ブルテリアは均整がとれた筋骨たくましい中形犬で、体高は53~56センチメートル、体重は24~28キログラムほどである。体毛は短く滑らかで、毛色は白色のほか虎毛や黒、赤褐色などの有色と白などがある。頭部は卵型のとても特徴のあるもので、側面からみるとストップ(くぼみ)がなく、頭頂部から鼻先にかけてなだらかにカーブしていて、三角形の小さくくぼんだ目が斜めに位置している。耳は以前は断耳したが、今は自然な立ち耳である。ブルテリアにはこのほか体重が11.25キログラム以下のミニチュアブルテリアがあり、イギリスで1943年に公認されているが、飼育数はきわめて少ない。
[増井光子]
『アメリカン・ケンネル・クラブ編『犬の辞典――AKC公認全犬種標準書』(1995・ディーエイチシー)』▽『ブルース・フォーグル著、福山英也監修『犬種大図鑑』(1996・ペットライフ社)』
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