ブロードクロス(その他表記)broad cloth

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改訂新版 世界大百科事典 「ブロードクロス」の意味・わかりやすい解説

ブロード・クロス
broad cloth

毛織物の一種。略してブロードともいう。経(たて)に梳毛糸(そもうし)または紡毛糸,緯(よこ)に紡毛糸をあまく打ち込み,製織後縮絨(しゆくじゆう)仕上げをして緻密にし,表面に起毛加工を施したもので,手ざわりがよく光沢に富む。コート,スポーツウェア,ジャケットなどに用いられる。仕上げの際,相当収縮させるため織上げ幅を広くするのでこの名がある。したがって現在では,縮絨起毛を施すタイプの毛織物メルトン,ベロア,ビーバー,モッサなどの名称で知られる種類の織物はすべてブロード・クロスと呼ばれている。

 ブロード・クロスはまた,ポプリンに似た綿織物をいう。平織で布面に繊細な緯畝(よこうね)があり,製織後シルケット加工を施す。光沢のある緻密な高級綿織物で,白生地,無地染,捺染物と各種あり,ワイシャツ,パジャマ,婦人服などに使われている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロードクロス」の意味・わかりやすい解説

ブロードクロス
broad cloth

一般に,イギリスではポプリン,アメリカでブロードと呼ぶ平織綿織物。日本では単糸を用いたものをポプリン,双糸を用いたものをブロードと呼んでいたが,最近ではブロードに統一された。経糸を密に,緯糸を粗くして織り,わずかに横うねりをもたせ,マーセライズ加工によって光沢を出す。木綿のほか化繊双方混織もあって,ワイシャツ地などに用いられる。このほかイギリスでは平織毛織物にローラーをかけ,つや出しした上質広幅黒ラシャ地 (幅 137~225cm) をブロードクロスといい,礼服などに用いられる。

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百科事典マイペディア 「ブロードクロス」の意味・わかりやすい解説

ブロード・クロス

略してブロードとも。密に織った平織の綿織物で,マーセリゼーションにより光沢を出す。緯(よこ)糸を太くして畝(うね)を出したタッサー・ブロードもある。白地,無地染,プリント染にしてシャツ,婦人・子ども服,カバー類,足袋などにする。絹,化繊,合繊もある。また毛織ブロードは平織の紡毛織物縮充,起毛,毛刈りをして仕上げる。平滑で光沢に富み,おもに礼装用服地とする。

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