ブールバキ(英語表記)Bourbaki, Nicolas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブールバキ」の意味・わかりやすい解説

ブールバキ
Bourbaki, Nicolas

十数人の,主としてフランスの数学者の集団のペンネーム。 1930年代の初め,現代までの全数学の再構築を企画し,未完の大著『数学原論』を出版。『数学原論』は 39年に第1冊を出し,すでに三十数冊に及んでいる。その内容は次のとおり。「集合論」3冊と要約,「代数」7冊,「位相」5冊と要約,「実1変数関数」2冊,「位相線形空間」2冊と要約,「積分」5冊,「多様体」要約,「リー群リー環」2冊,「可換代数」4冊,「スペクトル論」1冊。ブールバキの特徴は,代数,解析,幾何という従来の数学の系統にとらわれずに,構造の概念に基づいて現代数学を再構成しようとしている点にある。「数学的構造」とは,集合に対し公理を付加することによって決るもので,公理の違いによって,代数構造,位相構造など,構造の違いが生じる。ブールバキの構成員は,H.カルタン,J.ジュドンネ,A.ベイユなどが含まれていたことは確かであるが,その後変っており,フランス人以外の数学者も二,三人含まれている。

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