翻訳|pudding
イギリスでつくり始められた菓子および料理。日本では温めた牛乳と砂糖を卵と合わせて蒸焼きにするカスタードプディングがプリンとなまって親しまれている。菓子では,レーズン,オレンジやレモンの皮の砂糖漬,ケンネ脂(牛の腎臓を包んでいる脂肪),パン粉,卵,赤砂糖,小麦粉,スパイス,ブランデーなどを合わせ,型に詰めて蒸し上げるプラムプディング,型の周囲に食パンを貼り,ラズベリー,ブルーベリー,カラントなどのベリー類と砂糖を軽く煮て詰め,重石をして冷蔵庫で冷やしたサマープディングなどがある。料理ではローストビーフに添えるヨークシャープディングがよく知られる。これはローストビーフの焼脂を熱した中に小麦粉,卵,牛乳を合わせた生地を入れてオーブンで焼く。ほかに,牛肉や腎臓の角切りをパイ生地を敷いた型に詰めて蒸したものや,豚や羊の胃や腸にひき肉などの詰物をしてゆでたソーセージのようなものもある。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
一般には洋風生菓子の一種をいい、日本ではプリンと訛(なま)ってよぶことも多い。また、ローストビーフなどに付け合せとして添える料理プディングもあり、いずれもイギリスの家庭料理のなかで古くから受け継がれてきている。(1)カスタードプディングcustard pudding 材料は卵黄、砂糖、牛乳、香料。プディング型にバターを塗っておく。卵黄、砂糖をよく練り混ぜて牛乳でのばし、湯煎(ゆせん)にして80℃ぐらいに煮て、冷えたところに香料を加えたもの(カスタードという)を、型に流して蒸して固める。日本料理の卵豆腐に等しく、オーブンで蒸し焼きにすることもできる。(2)プラムプディングplum pudding とくにクリスマスディナーには欠かせない蒸し菓子である。17世紀後半、チャールズ2世の時代にくふうされたものだといわれている。プラムなどの果実の入ったこくのあるプディングで、少量を楽しむものである。(3)ヨークシャープディングYorkshire pudding ローストビーフプディングとして、イギリスの代表的な料理である。作り方は、刻んだ牛脂肪を小麦粉と混ぜて、焼き上げたもので、かならずローストビーフの付け合せとして西洋ワサビとともに供する。
[小林文子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…しかし,粥とか平焼きの無発酵パンは常食とされており,それらにレーズン,干しイチジク,オリーブ油などを加えたさまざまな菓子が作られていた。木の葉に包んで蒸焼きするレーズン入りの一種のプディングである〈トリオン〉,小麦粉にオリーブ油やワインを加えて練り油で揚げる〈エンクリシス〉,はちみつ入りの粥を焼いた〈アルカルネン〉といった菓子が知られている。また,はちみつと穀物粉を混ぜて焼いたクッキーの一種もあった。…
※「プディング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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