日本大百科全書(ニッポニカ) 「プディング」の意味・わかりやすい解説
プディング
ぷでぃんぐ
pudding
一般には洋風生菓子の一種をいい、日本ではプリンと訛(なま)ってよぶことも多い。また、ローストビーフなどに付け合せとして添える料理プディングもあり、いずれもイギリスの家庭料理のなかで古くから受け継がれてきている。(1)カスタードプディングcustard pudding 材料は卵黄、砂糖、牛乳、香料。プディング型にバターを塗っておく。卵黄、砂糖をよく練り混ぜて牛乳でのばし、湯煎(ゆせん)にして80℃ぐらいに煮て、冷えたところに香料を加えたもの(カスタードという)を、型に流して蒸して固める。日本料理の卵豆腐に等しく、オーブンで蒸し焼きにすることもできる。(2)プラムプディングplum pudding とくにクリスマスディナーには欠かせない蒸し菓子である。17世紀後半、チャールズ2世の時代にくふうされたものだといわれている。プラムなどの果実の入ったこくのあるプディングで、少量を楽しむものである。(3)ヨークシャープディングYorkshire pudding ローストビーフプディングとして、イギリスの代表的な料理である。作り方は、刻んだ牛脂肪を小麦粉と混ぜて、焼き上げたもので、かならずローストビーフの付け合せとして西洋ワサビとともに供する。
[小林文子]