日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘスティア」の意味・わかりやすい解説 ヘスティアへすてぃあHestia ギリシア神話のかまどの神。ローマ神話のウェスタと同一神で、クロノスとレアの長女。アポロンとポセイドンに求婚されたが、彼女はゼウスから永遠の処女を守る許しを得、さらにすべての家と神殿において崇拝される権利を授けられた。かまどが家庭生活の中心であるのと同様、ヘスティアは神々の住まいの中心的位置を占め、したがって他の神々が世界中を歩き回るのに対し、彼女はつねにオリンポスにとどまった。それゆえ、この女神には神話がない。彼女は人格神としてではなく、「かまど」という観念の擬人化として宗教的に重要な役割を果たした。[小川正広] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例