デジタル大辞泉 「レア」の意味・読み・例文・類語
レア(Rheā)
(Rhea)土星の第5衛星。1672年にカッシーニが発見。名はに由来。土星の衛星のうちで2番目に大きい。主に氷で形成される。直径は約1530キロ(地球の約0.12倍)。
ダチョウ目(またはレア目)レア科の鳥の1種,またはレア科の鳥の総称。レアRhea americanaは,一見ダチョウに似た大型走鳥類で,アメリカダチョウともいう。頭高1.7m,体重25kgに及ぶ。大きさはダチョウに比べるとかなり小さいが,新世界の鳥の中ではいちばん重い。羽毛は軟らかく,ぱさぱさとしている。ダチョウと違って,頭頸(とうけい)部や腿は羽毛におおわれ,皮膚が裸出していない。翼は小さく,尾羽はない。脚は強大で,あしゆびは3本ある(後指がない)。全身灰褐色で,雌雄は同色,雄は雌より少し大きい。
ブラジル東部からアルゼンチン中部まで分布する。灌木の散在する草原にすみ,食物は大部分が草,根,種子などの植物質で,昆虫類,カタツムリ,小型の哺乳類なども食べている。他の走鳥類と同様に飛ぶことはできないが,速く走り,泳ぎもうまい。群れで生活していて,繁殖期以外は20~30羽(ときには50~60羽以上)の群れをつくっている。繁殖期が始まると,雄は他の雄と争い,テリトリーを占め,また多くの雌の前でディスプレーを行って雌を引きつける。次いで雄は,地面に大きなくぼみをつくり,中央に若干の草を敷いて産座とし,交尾した雌をその巣に導く。一つの巣にはふつう6羽前後の雌が数日おきに1卵ずつ産卵するので,1巣の卵数は15~20個に及ぶ(ときには20個以上,80個の記録もある)。卵は黄金色だが,すぐに退色して白っぽくなる。抱卵は雄だけでする。抱卵期間は約40日。生まれた雛の世話も雄の役目で,雛は約5ヵ月で成鳥とほぼ同じ大きさになるが,成鳥になるには2~3年を要する。雛は雄について巣を離れ,雄はたえず呼び声で雛を集めているが,はぐれた雛は他の群れに加わるので,こうした群れはしばしばいろいろな年齢の個体より成り立っている。
レア科Rheidaeには,レアとダーウィンレアPterocnemia pennataの2種が属する。後者は前者よりやや小型で,背や翼には白い小斑が散在している。ペルー南部からマゼラン海峡までのアンデス山地に分布し,フエゴ島にも移入されている。この種は卵の色が緑色である。
執筆者:森岡 弘之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
広義には鳥綱ダチョウ目レア科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Rheidaeには、レアRhea americanaとダーウィンレアPterocnemia pennataの2種がある。ダーウィンレアはレアよりやや小形で、背や翼に白い小斑(しょうはん)があり、ペルー南部からマゼラン海峡に至るアンデス山地に分布する。
種のレアは頭高約1.7メートル、体重約25キログラム。一見ダチョウに似た大形の走鳥類でアメリカダチョウともよばれ、ダチョウよりはずっと小さいが、新世界の鳥のなかではいちばん重い。ダチョウと違って頭頸(とうけい)部やももは羽毛に覆われ、皮膚が裸出していない。翼は退化して小さく、足はじょうぶで、足指は3本ある。全身灰褐色で、雌雄は同色であるが、雄は雌よりすこし大きい。ブラジル東部からアルゼンチン中部までの草原にすむ。食物は草、根、種子などの植物質を主食とし、昆虫類やミミズなどの小動物も食べている。群れで生活し、繁殖期以外は20~30羽(ときには60羽以上)の群れをつくっている。繁殖期になると雄は縄張り(テリトリー)を構え、多くの雌の前でディスプレーを行って、雌を獲得する。それから雄は地面に大きなくぼみをつくり、若干の草を敷いて産座とし、交尾した雌をその巣に導く。一つの巣には普通5、6羽の雌が数日置きに1卵ずつ何回か産卵するので、1巣の卵は15~20個またはそれ以上もある。抱卵期間は約40日である。抱卵と育雛(いくすう)は雄の役割で、雛(ひな)は雄について巣を離れる。約5か月で雛は成鳥なみの大きさとなるが、成鳥となるには2~3年かかる。動物園でもよく飼われ、飼育下でも容易に繁殖する。
[森岡弘之]
ギリシア神話の女神。レイアともいう。ウラノスとガイアの娘、すなわちティタン神で、弟クロノスと結婚してヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン、ゼウスを生んだ。クロノスは、王位をわが子に奪われると預言されたため、レアが生む子を次々と自分の腹の中に飲み込んでしまう。そこでレアは、最後に生まれたゼウスをひそかにクレタ島の妖精(ようせい)たちに預け、かわりに大きな石を産着でくるんで彼に飲み込ませる。やがて成長したゼウスとクロノスの腹から吐き出された兄弟たちが、父を討つことになる。
レアは、フリギアの大地女神キベレ(神々の母とよばれる)と同一視されるが、彼女はまた狂気のなかに世界をさまようディオニソスを癒(いや)して、彼に秘教を授けたとされる。
[中務哲郎]
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…あとは切身の肉質や厚さによって火の強さを調節して,好みの焼きかげんに仕上げる。焼きかげんは,ふつうレアrare,ミディアムmedium,ウェルダンwell‐doneの3段階とする。レアは,外側は焼けているが中はまだ生の状態,ミディアムは中程度に火が通り,中央に生の部分が残っている状態,ウェルダンはよく焼けて中まで火の通っている状態である。…
…豊穣多産の女神として,その若い恋人アッティスAttisとともに小アジア一帯でさかんに崇拝された。ギリシアへは前5世紀後半に伝わり,じきにゼウスの母神レアと同一視された。またローマへは,伝承によれば,第2次ポエニ戦争中の前204年,シビュラ予言書の啓示にもとづいて移入されたといい,パラティヌス丘上の神殿には,フリュギアにおける崇拝の中心地から運んだ女神の聖石が安置された。…
…ウラノスの呪いとともに天界の主権は子クロノスに移る。彼は姉レアを妻としてヘラを含む3人の女神と3男神ハデス,ポセイドン,ゼウスを生む。彼らはいずれもオリュンポス十二神に数えられる。…
…ウラノスが子らを冥府タルタロスに押し込めたことを恨んだガイアから大鎌を与えられ,父神の陽物を切り落としてその王権を奪った。その後,姉のレアを妻とし,女神ヘスティア,デメテル,ヘラ,男神ハデス,ポセイドンの親となったが,わが子に王権を奪われるのを恐れた彼は,それらの子をかたっぱしから腹に飲み込んだ。しかし末子ゼウスの場合は,ひそかにクレタ島でお産をすませたレアの計略でむつきにくるんだ石を飲まされた。…
…ローマ人によってゼウスと同一視されたユピテルJupiterも,その名はDieu pater〈父なるディエウス〉の意で,本来ゼウスと同じ神である。 神話ではゼウスはティタン神のクロノスとレアの子とされ,彼が世界の覇者となった経緯が次のように語られる。父神ウラノス(〈天〉)を追放して世界の2代目の支配者となったクロノスは,姉妹のレアを妻として女神ヘスティア,デメテル,ヘラ,男神ハデス,ポセイドンをもうけたが,わが子に支配権を奪われるのを恐れて,生まれた子をつぎつぎにのみ込んだ。…
…粒子の密度が高いと互いに衝突して細かく砕かれるのであろう。 土星は昔から9個の衛星をもつことが知られており,Iミマス,IIエンケラドス,IIIテチス,IVディオーネ,Vレア,VIチタン,VIIヒペリオン,VIIIヤペタス,IXフェーベと呼ばれている。しかし,ボエジャーはさらに多くの衛星を発見または確認し(いくつかは地上で発見されていた),その総数は21~23となった。…
※「レア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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