ヘリコニア(読み)へりこにあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘリコニア」の意味・わかりやすい解説

ヘリコニア
へりこにあ
[学] Heliconia

バショウ科(APG分類:オウムバナ科)の不耐寒性多年草。熱帯アメリカに80種分布する。地下茎をもち、葉は2列に互生し、地際(じぎわ)は葉鞘(ようしょう)が重なり合って偽茎となる。中心から伸びた花茎の先に舟形の包葉をつけ、その中に数花をつける。包葉はきれいに色づき、長期間楽しむことができる。よく知られるアウランティアカH. aurantiaca Ghiesbr. ex Lem.は南部メキシコの林内に生え、高さ1メートルに達し、4~5月、茎頂に橙赤(とうせき)色で先が緑色の包葉を3、4枚つける。花は黄白色。フミリスH. humilis Jacg.はトリニダードからブラジル原産。高さ60~80センチメートル、包は舟形、赤色で周辺に向けて緑色に変わる。花は淡黄色。やや小型種。

[植村猶行 2019年6月18日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘリコニア」の意味・わかりやすい解説

ヘリコニア
Heliconia; false bird-of-paradise; lobster-claw

バショウ科ヘリコニア属の総称。 30~40種あるとも 150種以上あるともいわれ,そのほとんどが熱帯アメリカに産する宿根草。包が美しく色づいて長期間観賞できる種類が多く,切り花素材としてハワイなどから輸入されるほか,植物園の温室などでもみられる。左右交互に葉を伸ばし,葉鞘部が下部で重なり合って偽茎を形成。花茎の先に,舟形の包が規則正しく左右2列に並ぶ。花序を上向きにまっすぐ立てるものと,下垂させるものとがある。包の色は紅赤色や橙色,黄色,緑色や,赤・黄・緑の対比の鮮かな複色などがある。

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