日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニシタバ」の意味・わかりやすい解説
ベニシタバ
べにしたば / 紅下翅蛾
rosy underwing
[学] Catocala electa
昆虫綱鱗翅(りんし)目ヤガ科に属するガ。はねの開張70ミリ内外の大形種。前翅は灰色、黒色の横線が3本あり、波状あるいは鋸歯(きょし)状に屈曲する。はねの前縁部ではっきりしているがしだいに細まる。後翅ははねの基部から3分の2までは紅色、外縁部と中央部は黒色、外縁と縁毛は白い。北海道、本州、四国、九州に分布するが、南西部では少ない。国外では、朝鮮半島からヨーロッパまで分布している。幼虫はイヌコリヤナギなどのヤナギ類につき、老熟したものが樹幹に静止していると、樹皮とそっくりで見分けにくい。成虫がはねを畳み、後翅を前翅の下に隠しているときも樹皮と似ている。
[井上 寛]